「寸切」
「尺一の柳」
「一合の酒」
料理の世界に飛び込むと、いろんな単位に触れることになります。長さや容量、重さまで、覚えなきゃいけないことが山ほど。
おいらも最初は「なんのこっちゃ?」って感じで戸惑ったけど、慣れてくると不思議と馴染むもんです。
たとえば冒頭の「寸切:すんぎり」。これは約3cmに切り揃えることを指します。そして「尺一の柳:しゃくいちのやなぎ」は、33cmの柳刃包丁のこと。「一合の酒:いちごうのさけ」なんて言ったら、180mlの酒のことですね。
これらの単位は日常的にもバンバン飛び交うから、覚えておかないと現場で困っちゃう。特に先輩から指示が飛んだときに「え、何それ?」なんて言おうもんなら、怒られるどころか笑われちゃうかもしれません?
だから、しっかり覚えて仕事に活かしてほしいってわけです。
長さの単位「分・寸・尺」
板前の世界でよく使われる長さの単位には、「分(ぶ)」「寸(すん)」「尺(しゃく)」があります。
単位 | 読み方 | 長さ |
---|---|---|
一分 | いちぶ | 3mm |
一寸 | いっすん | 3cm |
一尺 | いっしゃく | 30cm |
まずはこの基本を押さえておけばOK。
特に料理で頻繁に登場するのは「一寸」だね。箸でつかみやすく、食べやすい大きさ。
見た目の美しさや火の通り、味の染み込みを均一にするため、「サイズ・長さを揃える」というのは超大事。
正確には3.03cmだけど、だいたい3cm。それでいい。覚えるのは「3cm」で十分。
長さを覚えるコツ
板前として長さを感覚的に掴むのも大切なスキル。
おいらも、最初は「こんなもんかな?」って適当にやってたけど、あるとき先輩に「自分の手で覚えろ」って教わったんだ。
例えば、こんな感じで覚えてみると便利だよ。
- 人差し指の先から第一関節:約3cm
- 指2本分の幅:約4cm
- 指3本分の幅:約5cm
- 広げた手の大きさ:約20cm
こうやって、自分の手を物差し代わりにしてみるのもアリ。現場では定規なんか持ってられないからね。自分の手のサイズを頼りにすれば、すぐに「このくらいか」って分かるようになる。
料理の世界は奥深いけど、最初は基礎を固めることが大事。こういう単位や感覚を覚えていくと、自分の技術がどんどん磨かれるから、焦らずコツコツ続けてみて下さいね。
容積の単位「勺・合・升・斗」
さて、次は容積の単位について話していきましょう。
日本料理では、液体の出汁や調味料を扱うときに、この単位が頻繁に出てきます。例えば「一合の酒」や「五勺の醤油」なんて聞いたことありませんか?
これ、ただの古い表現じゃなくて、今でも現場でバリバリ使われているんです。
基本の容積単位覚えるべきポイントはこれ。
単位 | 読み方 | 容量 |
---|---|---|
一勺 | いっしゃく (いっせき) | 18ml |
一合 | いちごう | 180ml |
一升 | いっしょう | 1,800ml |
一斗 | いっと | 18L |
勺のことを「せき」と呼ぶ板前も多く、おいらも「いっせき」「にせき」なんて感じで使っています。
基本は「18ml」から始まり、シンプルに10倍ごとに単位が変わっていく構造。以下の言葉は聞いたことありますかね?
- 一合枡:いちごうます
- 一升瓶:いっしょうびん
- 一斗缶:いっとかん
さらには、和食で使われるお玉(レードル)も、18の倍数が基本になっています。
- 五勺玉:90ml
- 一合玉:180ml
- 三合玉:540ml
現場では目分量で作業を進めることも多いですが、この感覚を掴むことでスピードが格段に上がります。
調味料の比重/「ml」=「g」ではない
調味料と比重容積の話をするとき、注意してほしいのが「ml」と「g」の関係性です。水の場合、1ml = 1gですが、他の調味料ではこの関係が当てはまりません。
以下は主要な調味料の「一合(180ml)」あたりの重さと比重です。条件により変わるため参考程度に。
調味料 | 一合あたりの 重さ (g) | 水に対する 比重 |
---|---|---|
水 | 180 | 1 |
醤油 | 207 | 1.15 |
みりん | 207 | 1.15 |
酢 | 180 | 1 |
精製塩 | 216 | 1.2 |
天然塩 | 162 | 0.9 |
上白糖 | 117 | 0.65 |
味噌 | 207 | 1.15 |
小麦粉 | 99 | 0.55 |
片栗粉 | 117 | 0.65 |
油 | 162 | 0.9 |
その割(レシピ)は重さなのか、容積なのかで味が変わります。料理は感覚だけではなく、数字や割合の基本があり、基本を身に付けると圧倒的に調理スピードが上がります。
重さの単位「匁・両・貫」
さて、最後は重さの単位についてお話ししましょう。
ただ正直なところ、この「匁」「両」「貫」なんて単位を使う人は、今ではかなり少数派です。おいらも20年以上板前やってますけど、あまり聞く機会はありませんでしたね。
でも、たとえば昔勤めてた店の魚屋さんでは「匁」を使ってたんですよ。車エビを「四匁」「六匁」なんて言うんです。これ、どういうことかっていうと……
- 一匁(いちもんめ):3.75g
- 四匁(よんもんめ):15g
- 六匁(ろくもんめ):22.5g
エビのサイズをこうやって表現してたんです。なんだか風情があるでしょ?
重さの基本単位を一応、押さえておくと。
単位 | 匁(もんめ) | 両(りょう) | 貫(かん) | グラム(g) |
---|---|---|---|---|
1 匁 | 1 匁 | 0.1 両 | 0.001 貫 | 3.75g |
1 両 | 10 匁 | 1 両 | 0.01 貫 | 37.5g |
1 貫 | 1000 匁 | 100 両 | 1 貫 | 3,750g |
冷凍エビのサイズ表記
さて、重さの単位つながりで、冷凍エビのサイズ表記についても触れておきます。これも最初はちょっと分かりづらいんですが、知っておくと役立ちますよ。
たとえば「21/25」とか「61/70」とか書いてあるあれ。これは、1ポンド(約450g)あたりのエビの本数を意味しています。
具体的には、
・21/25:450gあたり21〜25本のエビが入っている
・61/70:450gあたり61〜70本のエビが入っている
エビ1本あたりの重さは、450gを本数で割れば簡単に計算できますね。
冷凍エビサイズの早見表
以下は冷凍エビのサイズを、一本あたりの重さや1kgあたりの本数と合わせて表にまとめたものです。
サイズ 表記 | 1ポンド 当たりの 本数(平均) | 1本当たりの 重さ(平均) |
---|---|---|
8/12 | 10本 | 45g |
13/15 | 14本 | 32g |
16/20 | 18本 | 25g |
21/25 | 23本 | 20g |
26/30 | 28本 | 16g |
31/40 | 35本 | 13g |
41/50 | 45本 | 10g |
51/60 | 55本 | 8g |
61/70 | 65本 | 7g |
71/90 | 80本 | 6g |
まとめ|現場で必要な知識「尺貫法」
料理の現場では、長さ・容積・重さの伝統的な単位が使われることが多く、これらを理解することは板前にとって重要です。
厨房では、単位に関する知識がなければ、先に進めません。まずは、「三合の出汁」「濃口醤油1セキ」なんて指示されたときに、スッと動けるようになりましょう。
1. 長さの単位
- 一分(ぶ): 約3mm
- 一寸(すん): 約3cm(料理で頻繁に使われる)
- 一尺(しゃく): 約30cm
手の大きさや指の長さを基準にして覚えると便利です。
2. 容積の単位
- 一勺(いっしゃく): 約18ml
- 一合(いちごう): 約180ml(日本酒や米の計量で一般的)
- 一升(いっしょう): 約1,800ml
- 一斗(いっと): 約18L
和食ではお玉(レードル)のサイズもこれに基づいています。
3. 重さの単位
- 一匁(いちもんめ): 約3.75g
- 一両(いちりょう): 約37.5g
- 一貫(いっかん): 約3,750g(約3.75kg)
滅多に聞かないが使ったらエモいかも。
板前の現場では、これらの単位を瞬時に理解し、正確に使いこなすことが求められます。尺貫法を覚えることで作業スピードが上がり、料理の品質向上にもつながるので、しっかり身につけていきましょう!
料理の世界は本当に奥深くて、やればやるほど楽しくなるから、くじけずに楽しんでいきましょう!