先輩、牛ほほ肉ってどう調理すればいいんでしょうか?なんだか難しそうで…。
牛ほほ肉は少し手間がかかるけど、じっくり煮込むと柔らかく、口の中でとろけるんだよ。しかも、コラーゲンがたっぷりで美容にも良いから、女性には人気があるんだ。
なるほど!ぜひ、ポイントや手順を教えてください!
今日は、かつお出汁と醤油を使った和風の牛ほほ肉レシピを紹介するよ。失敗しにくく、いろんなアレンジも楽しめるからおすすめだよ。
牛ほほ肉は、長時間じっくり煮込むことで柔らかくなり、とろけるような食感が楽しめる食材です。
旨味が豊富で、美容にも良いコラーゲンを多く含んでおり、特に女性に人気があります。
この記事では、かつお出汁と醤油を使った和風の牛ほほ肉レシピを詳しくご紹介。
失敗しないためのコツやアレンジレシピも解説しますので、さまざまな料理に応用できます。
牛ほほ肉とは?
「牛ほほ肉」は、その名の通り、牛の頬部分の肉で、一頭から1~2kgほどしか取れないため、希少価値の高い部位です。
しかし、ヒレ肉などの他の希少部位に比べると、価格は比較的リーズナブルに手に入ります。
街中のスーパーには、牛ほほ肉の取り扱いがないことも多いため、個人での購入ならAmazonや楽天などの通販サイトを利用すると便利です。
\高評価!お買い得/
また、牛ほほ肉は「ツラ」「ツラミ」「ホッペ」「カシラニク(頭肉)」とも呼ばれることがあります。
牛ほほ肉の特徴と魅力
頬の筋肉は、日常的に使われる部位であるため、繊維が太く、筋肉質な食感が特徴です。
ただし、長時間の加熱によりスジやゼラチン質が溶け出し、とろけるような柔らかさに変化します。
旨味が濃厚で、豊富なコラーゲンを含むため、美容効果も期待でき、特に女性に人気の食材です。
基本的な5つの調理方法
牛ほほ肉は繊維が強いため、生のまま焼いたり揚げたりするには不向きです。
硬いスジを柔らかくするためには、長時間の加熱が必要になります。
煮込んで柔らかくした牛ほほ肉は、工夫次第でさまざまな料理にアレンジが可能です。
ここでは、基本的な5つの加熱調理方法をご紹介します。
鍋
「牛ほほ肉と煮汁を鍋でじっくり煮込む」
王道の調理法で調味料が煮詰まり、味が凝縮されます。途中から他の加熱方法と組み合わせることが可能。
- アクを引くことができる
- 調味料と火加減の調節が簡単
- 煮詰めることができる
- 長時間コンロを占領してしまう
- 時々、かき混ぜたりする手間がかかる
蒸し煮
「深バットに牛ほほ肉と煮汁を入れて蒸す」
均一に加熱ができ、蒸気が全体に行き渡ります。蒸気温度は100℃を超えることはなく、穏やかな加熱が可能です。
- 均一に加熱され、焦げ付く心配がない
- 型崩れしにくいため、美しく仕上がる
- 蒸し器のお湯を追加する手間がかかる
- 長時間コンロを占有する
圧力鍋
「鍋と同様にアクを引き、調味料を加えて加圧」
密封加圧することにより沸点が上がり、素材を早く柔らかくすることができます。
- 短時間で調理が完了する
- 一度に大量に調理できない
- 煮崩れしやすい
\家庭で作るならこれ!/
スチームコンベクションオーブン
「深バットに牛ほほ肉と煮汁を入れ、スイッチオン」
最新の自動加熱調理機器。熱風と蒸気を組み合わせ、温度・湿度・時間をコントロールできます。
- 放置でき、手間がかからない
- 簡単かつ、均一に加熱され、失敗しにくい
- 導入コストが高い
- 設置スペースが必要
\家庭で作るならこれ!/
スービークッカー(低温調理)
「牛ほほ肉と煮汁を真空パックして、お湯に入れるだけ」
低温調理。細胞や栄養素の破壊が極めて少なく、ジューシーな仕上がりになります。
- 専用機器で、他の調理を妨げない
- 営業時間外でも放置できる
- 均一でムラのない仕上がり
- そのまま冷凍や保存できるため衛生的
- 真空パック機器とセットで導入する必要がある
- コストが高く、設置スペースがいる
\家庭で作るならこれ!/
【赤ワイン煮】洋食の定番
牛ほほ肉は、和食よりも洋食でよく使われる食材です。
西洋でも煮込み料理として調理されることが多く、濃厚な味わいと柔らかな食感が洋食の定番メニューで活かされています。
赤ワイン煮やカレーなどの煮込み料理
「赤ワイン煮」は牛ほほ肉を使った代表的な一品で、肉の旨味を最大限に引き出す料理です。基本的な手順は次の通りです。
- 牛ほほ肉を赤ワインと香味野菜(玉ねぎ、にんじん、セロリなど)に一晩漬け込み、味をしっかり染み込ませる。
- 肉の表面を強火で焼き、旨味を閉じ込める。
- 焼いた肉と赤ワインの漬け汁を鍋に移し、肉が柔らかくなるまでじっくり煮込む。
同様の方法で、カレーやシチューにも応用でき、牛ほほ肉の濃厚な風味と煮込んだときの柔らかさを存分に楽しめます。
和食の牛ほほ肉レシピ【牛ほほ肉の柔らか煮】
ここだけのオリジナルレシピ公開
今回は、現役板前が考案したかつお出汁と醤油を活かした和風の牛ほほ肉の柔らか煮レシピをご紹介します。
長時間煮込むことで、口の中でとろけるような柔らかさと、しっかり染み込んだ旨味が楽しめる和食ならではの逸品です。
最新の厨房機器を使用しますが、他の機器でも同様に調理できます。
- 加熱:スチームコンベクションオーブン(スチコン)
- 冷却:ブラストチラー
失敗しないためのポイント
① 完成をイメージする
柔らかさと風味を理想的な仕上がりで実現するため、全工程を計画的に進めましょう。
② 下処理を丁寧に
丁寧な霜降りで余分な脂や血を取り除き、雑味のない美味しい仕上がりにします。
③ じっくり加熱する
時間をかけてじっくり加熱することで、ほほ肉が驚くほど柔らかく仕上がります。
④ 素早く冷却する
粗熱を取った後、急速冷却で風味を閉じ込め、食中毒菌の増殖を防ぎます。
材料
- 牛ほほ肉:8~10個(約5kg)
- 長葱(青い部分):5本分
- 生姜:100g
- 出汁:12合(2,160ml)
- 濃口醤油:1.5合(270ml)
- 酒:1.5合(270ml)
- 砂糖:135g
手順【下処理、加熱、冷却】
基本の3工程
- 下処理
- 加熱
- 冷却
それぞれの工程を詳しく見ていきましょう。
牛ほほ肉を中心まで完全に解凍する。
塊が大きいため、冷蔵庫での解凍は2日を目安に。
解凍が不完全だと、中心まで味が染み込まず、仕上がりも硬くなる。
霜降りの目的は臭み取りと、スープの濁りを防ぐこと。
肉塊を一つずつ熱湯に入れ、5秒ほど加熱。
表面全体の色が変わったら、氷水に移して余熱を防ぐ。
流水で汚れや血を丁寧に洗い流す。
出汁と調味料で煮汁を合わせ、沸かして砂糖を完全に溶かす。
深バットに牛ほほ肉、長葱、生姜を並べて煮汁を注ぐ。
蓋をしてスチコンへ。「スチームモード100℃」で4時間加熱する。
- 鍋:時々かき混ぜながら4時間
- 蒸し器:お湯を足しながら4時間
- 圧力鍋:加圧後2時間
- スービークッカー:80℃12時間放置
加熱後、肉に串を刺してスムーズに通るか。
スープの味の濃さもチェック。
加熱だけでは味の染み込みはいまいち。
後の冷却過程でさらに味を浸透させる。
冷却の目的は味の浸透と、食中毒菌増殖の防止。
まず、蓋を外して常温で20~30分粗熱を取る。
次に、葱と生姜を除き、ブラストチラーで急速に冷却する。
鍋やバットごと氷水で冷やしても良い。
冷蔵庫で一晩寝かせる。
スープはゼリー状になり、脂分は白く固まり、肉は適度に硬くなる。
適当な大きさに切り分けて冷凍する。
このように調理手順を丁寧に進めれば、風味豊かで柔らかい牛ほほ肉の和風煮込みが完成します。
和食の牛ほほ肉:盛付け例
- 牛ほほ肉柔らか煮
- 玉葱コンソメ仕立て
- 南瓜あん
- スナップエンドウ
- ピンクペッパー
煮込みからのアレンジレシピ
ここからは、煮込んだ牛ほほ肉を使ったアレンジレシピをご紹介します。しっかり柔らかく煮込んだ牛ほほ肉は、さまざまな料理に応用が可能です。
※タレやソースを添える場合は、煮込みの際の調味料を少なめにしておくと、味のバランスがとりやすくなります。
- 牛ほほ肉の炙り
-
煮込んだ牛ほほ肉をさっと炙って香ばしさを追加。外はカリッと、中はとろけるような柔らかさが楽しめる。仕上げに軽く塩を振ると、旨味がさらに引き立つ。
- 牛ほほ肉フライ
-
煮込んだ牛ほほ肉にパン粉をつけてフライに。外はサクサク、中はトロトロ。一手間加えて、煮汁をさらに煮詰めてとろみのあるソースを掛けると旨さ倍増する。
- 茶碗蒸しの具材として
-
小さく角切りにした牛ほほ肉を茶碗蒸しの具材に。卵の優しい風味とほほ肉のパンチが絶妙に調和し、贅沢な味わいを楽しめる。
- サラダのトッピングに
-
煮込んだ牛ほほ肉を薄切りにしてサラダにトッピング。冷たいままでも口の中でとろける食感があり、酸味のあるドレッシングと合わせるとさっぱりと味わえる。
- ほぐして和物に
-
冷たいまま軽くほぐして、キュウリやウドなど歯ごたえのある野菜と和える。白和えやマヨネーズも意外性があり。
まとめ【牛ほほ肉のレシピ】
牛ほほ肉は時間をかけて調理することで、硬いスジまで柔らかくなり、濃厚な旨味を存分に楽しむことができます。
また、定番の「赤ワイン煮」以外にも、日本のかつお出汁と醤油との相性も抜群で、工夫次第でアレンジも豊富です。
家庭では手間もかかりますが、食費を抑えて高級感のある一品に仕上げることができます。
先輩、今日は本当に勉強になりました!牛ほほ肉が食べたくなりました。早く自分でも試してみたいです。
お、そうか!しっかり学んでくれて嬉しいよ。牛ほほ肉は、工夫次第で主役になれる食材だ。特に和食での調理は珍しいから、突き詰めてみると面白いぞ。
はい!まずは基本の煮込みから挑戦してみます。
その意気だ!料理は常に探求だ。失敗を恐れず、続けることが大事だよ。
牛ほほ肉のレシピを学び、自分のアレンジを加えることで新たな料理が生まれます。手間を惜しまず長時間煮込むことで得られる至福の味を目指し、日々の探求と挑戦を重ねましょう。