
パプリカ先輩…ちょっと相談があって。実は、妻が妊娠しまして。子どもが生まれるタイミングで、育休を取りたいんです。でも…飲食業界じゃ、やっぱり難しいですよね?



おお、それはおめでとう!
育休か…たしかに、うちの業界じゃまだあまり浸透してないよな。



ですよね…。でも妻も初めての出産で不安そうだし、できれば側にいてあげたいんです。



気持ちはよくわかる。おいらも同じ立場だったら、そうしたい。
大丈夫、お前の気持ち、ちゃんと伝えればきっと通じるさ。
会社にもきちんと話して、しっかり認めてもらおう。オレもできる限り後押しする!
板前という仕事は、どうしても「目の前のお客様優先」が当たり前。
忙しい時間帯も決まっているし、人手不足も珍しくない……だからこそ、育休なんて無理だと諦めていませんか?
でも、家族を守ることも、料理人として大切な仕事のひとつです。
実際に、飲食業界で育休を取得する板前も少しずつ増えてきました。
「育休を取りたい。でもどうすればいい?」
「上司や同僚にどう伝えたらいい?」
そんな不安を持つあなたに向けて、この記事では
板前パパが育休を取るべき理由と、職場への伝え方・準備のコツをまとめました。
仕事と家族、どちらも大事にできる一歩を、今ここから踏み出しませんか?
飲食業界でも育休取得はできる?その現状と課題
育休――正式には「育児休業」。労働基準法や育児・介護休業法で認められた制度ですが、実際には業界によって取得しやすさに大きな差があります。
特に飲食業界では「育休なんて現実的じゃない」と感じている人も多いのではないでしょうか。
結論から言えば、飲食業界でも育休は取得できます。しかし、それが簡単ではない理由も確かに存在します。
サービス業全体に共通する「育休が取りづらい」理由
飲食業界だけでなく、美容師や看護師、介護職など「人と直接関わるサービス業」は育休取得のハードルが高めです。
その一番の理由は、仕事の性質上「目の前のお客様にその場で対応しなければならない」こと。
製造業や事務職のように業務をあらかじめまとめて済ませておくことが難しく、誰かがその場にいて仕事を回す必要があるからです。
さらに飲食店は繁忙期・閑散期の波が激しく、1日の中でもランチやディナータイムなど忙しい時間が集中します。人員が少しでも減れば、その影響はすぐに現場へと響いてしまいます。
板前という仕事ならではの悩みとは
特に板前という職種は、仕込みから盛り付けまで「自分の技術」によって仕事を進める部分が多く、代わりが効きにくい仕事です。
有給休暇すら消化しづらいという声も多く、育休となればさらに長期間の不在になるため、同僚や上司に迷惑をかけるのではないか――と悩む方も少なくありません。
しかし、それでも育休制度は「労働者の権利」として認められているものです。制度はあるのに使えない状態を放置しておくことは、個人だけでなく業界全体にとってもマイナスになります。
これからの時代、板前という仕事を続けながら家族との時間も大切にできる環境づくりが必要になっているのです。
板前が育休を取るためのステップとポイント
育休制度は法律で認められている権利ですが、ただ「育休を取ります」と伝えるだけではスムーズに進まない場合もあります。
特に板前のように職人仕事の現場では、気を配るべきポイントや事前準備が大切です。
上司への伝え方とタイミング
まず最初のステップは、上司や親方への相談です。
その際は、なるべく早いタイミングで伝えることが重要になります。
育休に入る予定日の数か月前には話を持ち出し、余裕を持ったスケジュールで準備できるよう心がけましょう。
また、伝える時は単に「休みたい」と言うのではなく、以下のような点をセットで伝えると印象が変わります。
- 妻の出産が初めてで不安があること
- 育児への参加を通じて家族を支えたいこと
- 職場への負担を最小限にするよう事前準備をする意思があること
「迷惑をかけたくない」という気持ちを素直に伝えつつ、感謝と誠意を持った姿勢が大切です。
同僚・後輩への配慮と業務引き継ぎのコツ
上司に話が通った後は、同僚や後輩への共有も必要です。
特に飲食店はチームワークが大切な現場ですから、自分が抜ける期間に備えて次の準備をしましょう。
- 自分の担当業務をリスト化し、誰にどの作業をお願いするか明確にする
- 口頭だけでなく、紙やメモアプリなどでマニュアル的にまとめておく
- 忙しい時間帯や注意点も一緒に伝えておく
日頃から「自分だけしかできない仕事」を作らないことも、育休取得のしやすさにつながります。
申し訳なさを抱えすぎないことも大切
真面目な板前ほど「自分が休むと周りに迷惑をかける…」と気にしすぎてしまいがちですが、必要以上に遠慮する必要はありません。
育休は法律で認められた権利であり、社会全体で子育てを支えるために用意された制度です。
大切なのは、自分勝手にならず周囲への配慮を忘れずに行動すること。
その気持ちさえあれば、必ず理解してくれる仲間はいます。
堂々と、そして誠実に育休取得を進めていきましょう。
育休取得は次の世代への道を作る
飲食業界、特に板前の世界では「育休なんて聞いたことがない」という声もまだ多いのが現実です。
ですが、だからこそ――あなたが育休を取ることには、大きな意味があります。
自分が前例になれば、後輩たちも育休を取りやすくなる
もし、職場で誰も育休を取ったことがなければ、「そんな制度、うちには関係ない」と思われてしまいがちです。
ですが、最初の一人が育休を取得すれば、その後は「前例」ができます。
後輩たちが同じように家庭を持った時、
「先輩も育休を取ったし、自分も大丈夫だろう」と思える環境が生まれます。
それは、働きやすさや職場全体の雰囲気にも良い影響を与えるはずです。
板前という仕事を続けながら家族も大切にできる時代へ
昔は「仕事一筋で家族のことは後回し」という考え方が当たり前でした。
ですが、時代は確実に変わっています。
料理人として腕を磨き続けることと、家族と過ごす時間を大切にすること。
その両立ができる時代を、これからの板前たちが作っていくべきです。
育休を取ることは決して「わがまま」ではありません。
家族も仕事も大事にする――そんな当たり前の権利を、あなた自身が堂々と使ってください。
そして次の世代へ、その道をつないでいきましょう。
まとめ:板前でも育休は「当たり前」にできる時代へ
飲食業界、とくに板前の世界では「育休なんて無理」と思われがちですが、それはもう過去の話です。
育休は法律で認められた正当な権利であり、家族と向き合うためにも必要な制度です。
あなたが勇気を持って育休を取得することで、後輩たちや周囲の意識も変わっていきます。
板前という仕事も、家族との時間も、どちらも大切にできる――そんな職場環境を一緒に作っていきましょう。