マンゴーは扱いを間違えると、ムダが出やすい果物。特に料理屋では、見た目の美しさとロスの少なさが求められます。
この記事では、マンゴーの熟し具合の見極め方から、追熟の基本、そして皮を剥いて果肉を無駄なく取るための切り方まで、調理現場で役立つポイントを簡潔にまとめました。仕込みの効率を高めながら、味も見た目も損なわないプロの基本を押さえましょう。
『マンゴーの美味しさ=熟れ具合』見極め方と追熟の方法
色・香り・感触でチェック

熟したマンゴーは、赤みが強く、甘い香りがあり、軽く押すとやや柔らかく感じます。緑色で硬いものはまだ未熟です。
POINT | 完熟 | 未熟 |
---|---|---|
色 | 出ている | 全体に赤みが色ムラが多い | 緑色〜黄色
香り | 甘い香り | トロピカルなまたは無臭 | 香りが弱い
感触 | やや柔らかい | 軽く押すと弾力がない | カチカチに硬い


固い場合の追熟方法とは?
紙袋や新聞紙に包んで常温に置き、2〜3日間追熟します。リンゴやバナナと一緒に置くと早まり、冷蔵庫には入れないのが基本です。
最重要ポイント!マンゴーの「種の向き」を知ろう
種の形と向きの特徴

マンゴーの種は平たく、実の中心あります。


中央を避けて「上側の果肉」「種」「下側の果肉」の3つに切り分けるのがコツです。
種の向きを間違えるとどうなる?
種の向きを間違えると、うまく切れません。おいらも何度も失敗して、怒られました。
自分で食べる場合は問題ありませんが、料理屋として提供する場合にはロスです。
種の位置と向きを把握することは、とても大切です。
基本の切り方|誰でもできる「花咲カット」の手順

マンゴーの代表的な切り方が「花咲カット」です。
まずは、皮は剥かずに、種の向きに注意してマンゴーを3つにカット(2面の果肉+中央の種部分)。
次に、果肉に格子状に切り込みを入れ、皮を裏側から押し出すようにすると、花が咲いたように果肉が立ち上がります。
見た目も華やかで、そのままスプーンですくうように食べます。
もっとキレイに!プロのように美しく見せる切り方のコツ

初めに、包丁を入れる場所を間違えないための目印として、種の側面の皮をぐるっと一周剥きます。
基本的には楕円型のマンゴーですが、ものによっては、円型に近いものもあります。
円型の場合、皮を剥いてからだと種の位置を把握するのが難しいです。

一周続く向き面を見失わないように、包丁の刃先を種の頂点を軸にして、切り込んでいきましょう。


反対側の果肉も同様に、種の頂点へ包丁を入れます。

マンゴーの3枚卸し。
種には果肉があまり残らず、果肉をたっぷりと使うことができます。

種は菱形に残りました。種の周囲の果肉は繊維が強くあまりおいしくありません。



盛付け例。
マンゴーの皮を切ったり、抜き型で抜いて飾ると映えます。
マンゴーを半分だけ使う

半分は皮を剥かずに、ラップでしっかりと包んで冷蔵庫にしまいます。
マンゴーの白い繊維(みたいな何か…)


虫食いなどではなく、食べても害はないと言われます。
食べてみると繊維質が強く、味も香りもおいしくありません。
マンゴーを『果物盛り合わせ』に使うなら皮を剥いてからカットする
マンゴーは熟し具合と種の向きを見極めるだけで、切りやすさと見た目が格段にアップします。
特に、マンゴー単品ではなく、盛り合わせには今回の方法が一番適しています。
何よりも食べやすい!それも価値のあることです。
今回のポイントを参考に、旬のマンゴーをもっと楽しんでください。