MENU
運営者:パプリカ
・板前一筋22年
・ふぐ免許保有
・料亭、ミシュラン店、会員制クラブ勤務
転職したい板前さんはこちら

【雑節と料理】季節の移り変わりを彩る日本の伝統と食文化

雑節(ざっせつ)とは、
季節の移り変わりを示した特別な暦日です。

二十四節気や五節句などと共に、
各地で季節ごとの行事や食文化があります。

【雑節の一覧

  • 節分(せつぶん)
  • 彼岸(ひがん)
  • 社日(しゃにち)
  • 八十八夜(はちじゅうはちや)
  • 入梅(にゅうばい)
  • 半夏生(はんげしょう)
  • 土用(どよう)
  • 二百十日(にひゃくとおか)
  • 二百二十日(にひゃくにじゅうにち)

MEMO:暦日(れきじつ)
時の流れ。こよみ。
0時〜24時のその1日のこと。

雑節は主に、自然現象に基づき定められています。

  • 太陽や月の位置
  • 動植物の生態
  • 天候 など

これらの雑節は、
単に暦上の日を示すだけでなく、
季節の移り変わりを感じ、
自然と共存する生活を送るための
大切な役割を果たしています

同時に、日本の伝統的な文化であり、
各地域ごとに行事や料理と深い関係があります。

そのような雑節について

  • 時期
  • 行事
  • 食文化

などを紹介します。

目次(INDEX)

節分(せつぶん)の解説と食べ物

節分について
時期立春の前日
2月3日ごろ
行事豆まき
食文化恵方巻き

元々の節分は「季節を分ける」として「立春、立夏、立秋、立冬」の前日を指します。

現在では「節分」といえば、毎年2月3日を意味する場合がほとんどです。

豆まきによって邪気払いを行い、恵方巻きを食べることで幸運を呼び込むなど、新年の無病息災を願う大切な行事です。

彼岸(ひがん)の解説と食べ物

彼岸について
時期春分、秋分の前後の7日間
3月17日~23日ごろ
9月19日~25日ごろ
行事先祖供養
墓参り
食文化ぼた餅(春)
おはぎ(秋)

彼岸は、春分の日と秋分の日をそれぞれ中日として前後3日間の計7日間を指します。
初日を「彼岸入り」、終日を「彼岸明け」と呼びます。

この期間は、あの世とこの世の距離が最も近くなるとされ、先祖供養を行う大切な時期です。

お彼岸には、お墓参りや彼岸花を供える風習があり、おはぎやぼたもちを食べることで先祖への感謝の気持ちを伝えます。

社日(しゃにち)の解説と食べ物

社日について
時期春分・秋分に最も近い戊の日
行事五穀豊穣祈願(春)
収穫感謝(秋)
食文化特になし

MEMO:戊(つちのえ)の日とは
十干(じっかん)を順番に割り当てたもの。
十干は甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸の10種類。

社日は、春分と秋分のそれぞれに最も近い戊(つちのえ)の日を指し、一年に2回、春社日と秋社日があります。

その土地の神様「産土神(うぶすながみ)」を祀る日とされています。

春は種まきの時期であることから五穀豊穣を祈願し、秋は収穫の時期なので実りに感謝します。

八十八夜(はちじゅうはちや)の解説と食べ物

八十八夜について
時期立春から88日目
5月1日ごろ
行事新茶の収穫
穀物の作付け
食文化八十八夜茶

八十八夜は、立春から88日目にあたる日で、茶摘みの時期とされています。

新茶の風味を味わう「八十八夜茶」の風習があり、この時期に摘んだ茶葉は縁起物とされています。

入梅(にゅうばい)の解説と食べ物

入梅について
時期梅雨入りの目安となる日
6月11日ごろ
行事特になし
食文化梅、鰯

入梅は、暦の上での梅雨入りとなる日です。
実際の梅雨入りは地域によって異なりますが、多くの地域では6月上旬から中旬頃にあたります。

また、梅の実が熟れて黄色味を帯びてくる時期に降る雨なので「梅」の字が使われています。

この時期の鰯は特に「入梅鰯」と言われ、脂が乗ってとても美味しい時期です。

半夏生(はんげしょう)の解説と食べ物

半夏生について
時期夏至から11日目から5日間
7月2日~5日ごろ
行事農業の繁忙期が一段落
食文化

半夏生は、夏至から11日目にあたる日で、田植えを終える時期の目安とされています。

稲穂が多く分かれ成長するようにと、蛸を食べる習慣があり「蛸の日」としても知られています。

土用(どよう)の解説と食べ物

項目土用について
時期四立のそれぞれ前18日間
7月20日ごろ~(立秋前)
行事特になし
食文化うなぎ(夏)、餅、しじみ、卵

土用は、立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれ前18日間の期間を指します。

土がよく働く期間とされ「土旺用事(どおうようじ)」の略称が土用です。

土用期間中は、土いじり(草むしりや穴堀りなど)を避ける風習があり、代わりに厄除けや健康祈願を行う習慣があります。

特に、立秋前の夏の土用の丑の日には、暑い夏に向け精力をつけるために鰻を食べる風習が有名です。

二百十日(にひゃくとおか)の解説と食べ物

項目彼岸(ひがん)
時期立春から210日目
9月1日ごろ
行事台風が襲来する厄日
風祭
食文化特になし

二百十日は、稲が開花する時期と台風の襲来が重なる時期です。

先人の経験から、農家にとっての厄日とされ
戒めの意味があります。

台風の被害に遭わないように厄払いする「風祭」という行事も各地で行われます。

二百十日と同様に、
台風の厄日として、
二百二十日(にひゃくにじゅうにち)という雑節もあります。

日本の伝統文化「雑節」と食文化:季節の移ろいを楽しむ行事と食

日本には、二十四節気や五節句以外にも、季節の移り変わりを感じ、自然と共存する生活を送るための大切な役割を果たす「雑節」と呼ばれる特別な暦日があります。

本記事では、代表的な雑節と、それぞれの時期、行事、食文化について詳しく紹介しました。

  • 節分: 立春の前日、豆まきで邪気払いを行い、恵方巻きを食べることで幸運を呼び込む。
  • 彼岸: 春分・秋分前後7日間、先祖供養を行い、お彼岸団子(ぼた餅・おはぎ)を食べる。
  • 社日: 春分・秋分それぞれに最も近い戊の日、五穀豊穣祈願(春)、収穫感謝(秋)。
  • 八十八夜: 立春から88日目、新茶の風味を味わう「八十八夜茶」を楽しむ。
  • 入梅: 梅雨入りの目安、梅干し作りや入梅鰯を食べる。
  • 半夏生: 夏至から11日目、田植えの終了を祝い、蛸を食べる。
  • 土用: 立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれ前18日間、土いじりを避け、厄除けや健康祈願を行う。特に夏の土用の丑の日には鰻を食べる。
  • 二百十日: 立春から210日目、台風襲来の厄日とされ、風祭を行う。

これらの伝統的な行事や食文化は、日本の豊かな自然と深く結びついており、季節の移り変わりを五感で感じ、自然への感謝の気持ちを育む貴重な機会を与えてくれます。

本記事を参考に、ぜひ雑節を暮らしに取り入れて、日本の伝統文化と食文化を楽しみながら、自然と共存する生活を送ってみてはいかがでしょうか。

シェアしてね!(Share it, please!)
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

板前歴22年。
日本料理の技術と知識と心構えを高めて、
自信を持ち、豊かな板前LIFEを送ろう。

目次(INDEX)