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【外食産業の市場規模】成長の現状と未来展望

新人の板前

先輩!日本の飲食店って全体でどのくらいの売上があるんですかね?

先輩の板前

そうだな。自分の働く業界の市場規模を知っておくことも必要だ。
しかし、残念ながら、少子高齢化の日本では今後、縮小していくのは確実なんだ。

外食産業は、
日常生活において欠かせない存在であり、
その市場規模は常に注目されています。

この記事では、
2023年の外食産業市場規模を中心に、
その成長の現状と未来展望について詳しく解説します。

日本国内の外食産業は、コロナ禍の影響を受けながらも回復傾向にあり、2023年にはコロナ禍以前と同等までに回復しました。

  • 市場規模の推移
  • 業態別の市場規模
  • 全産業との比較

を通じて、外食産業の位置づけを明らかにし、今後の課題と展望についても触れていきます。

目次(INDEX)

外食産業市場規模:2023年の実績統計

【国内外食産業】市場規模推移(2010年~2023年)

外食産業売上前年比
2010年29.1兆円99.8%
2011年29.1兆円98.1%
2012年29.7兆円101.9%
2013年30.5兆円102.8%
2014年31.4兆円102.9%
2015年32.5兆円103.7%
2016年33.0兆円101.4%
2017年33.3兆円100.9%
2018年33.4兆円100.3%
2019年34.0兆円101.9%
2020年25.7兆円75.6%
2021年24.5兆円95.2%
2022年27.7兆円113.3%
2023年31.7兆円114.1%
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査より筆者作成

業態別市場規模(単位:億円)

区分2019年2020年2021年
外食産業計334,901252,963240,655
給食主体部門212,538155,455149,048
料飲主体部門50,14926,66720,446
料理品小売業77,59475,02375,357
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査より筆者作成

【給食主体部門】

区分2019年2020年2021年
営業給食178,993127,175119,639
集団給食33,54528,28029,409
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査より筆者作成

【営業給食】

区分2019年2020年2021年
レストラン103,22173,78068,046
そば・うどん店13,1449,6139,464
すし店15,46612,63912,179
その他の飲食店13,94513,74814,329
機内食等2,714934939
宿泊施設30,50316,46114,682
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査より筆者作成

【集団給食】

区分2019年2020年2021年
学校4,8264,0114,679
社員食堂等給食11,8769,6789,768
弁当給食5,3804,1824,196
病院7,9017,4947,428
保育所給食3,5622,9153,338
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査より筆者作成

【料飲主体部門】

区分2019年2020年2021年
喫茶店11,7848,0557,767
居酒屋
ビヤホール等
10,1386,4894,483
料亭3,3731,449980
バー
キャバレー
ナイトクラブ
24,85410,6747,216
日本フードサービス協会:外食産業市場動向調査より筆者作成

全産業比較

全産業比較:売上

  • 全産業合計:1700兆円
  • 1位:480兆円(卸売業、小売業)
  • 2位:387兆円(製造業)
  • 3位:173兆円(医療、福祉)
  • 13位:20兆円(宿泊業、飲食業)

全産業比較:企業数

  • 全産業合計:368.4万企業
  • 1位:74.1万企業(卸売業、小売業)
  • 2位:42.6万企業(宿泊業、飲食業)
  • 3位:42.6万企業(建設業)

全産業比較:従業員数

  • 全産業合計:5794万人
  • 1位:1161万人(卸売業、小売業)
  • 2位:880万人(製造業)
  • 3位:816万人(医療、福祉)
  • 5位:467万人(宿泊業、飲食業)

【各産業の売上】(単位:百万円)

産業分類2020年2015年
合計1,693,312,5911,542,703,325
農林漁業(個人経営を除く)5,933,0716,200,051
鉱業,採石業,砂利採取業1,503,1621,611,521
建設業120,030,992112,064,249
製造業387,060,638345,113,010
電気・ガス・熱供給・水道業36,232,50433,891,508
情報通信業75,499,89459,490,121
運輸業,郵便業62,199,30558,492,202
卸売業,小売業480,167,887450,582,598
金融業,保険業117,768,068110,152,623
不動産業,物品賃貸業59,532,06355,263,582
学術研究,専門・技術サービス業48,029,00342,409,650
宿泊業,飲食サービス業20,783,40824,526,036
生活関連サービス業、娯楽業30,461,30226,501,515
教育,学習支援業17,390,45416,722,979
医療,福祉173,336,912152,216,370
複合サービス事業8,923,5557,897,792
サービス業(他に分類されないもの)48,460,37241,215,107
総務省:令和3年経済センサスより筆者作成

【各産業の企業数】

産業分類2021年2016年
合計3,684,0493,856,457
農林漁業(個人経営を除く)35,30125,992
鉱業,採石業,砂利採取業1,4281,376
建設業426,155431,736
製造業339,738384,781
電気・ガス・熱供給・水道業5,4961,087
情報通信業56,59943,585
運輸業,郵便業66,83168,808
卸売業,小売業741,239842,182
金融業,保険業30,99529,439
不動産業,物品賃貸業328,329302,835
学術研究,専門・技術サービス業214,724189,515
宿泊業,飲食サービス業426,575511,846
生活関連サービス業、娯楽業334,668366,146
教育,学習支援業109,004114,451
医療,福祉298,517294,371
複合サービス事業5,4455,719
サービス業(他に分類されないもの)263,005242,588
総務省:令和3年経済センサスより筆者作成

【各産業の従業員数】(民間企業のみ)

産業分類2021年2016年
合計57,949,91556,872,826
農林漁業(個人経営を除く)453,703363,024
鉱業,採石業,砂利採取業19,69719,467
建設業3,737,4153,690,740
製造業8,803,6438,864,253
電気・ガス・熱供給・水道業202,149187,818
情報通信業1,986,8391,642,042
運輸業,郵便業3,264,7343,197,231
卸売業,小売業11,611,92411,843,869
金融業,保険業1,494,4361,530,002
不動産業,物品賃貸業1,618,1381,462,395
学術研究,専門・技術サービス業2,118,9201,842,795
宿泊業,飲食サービス業4,678,7395,362,088
生活関連サービス業、娯楽業2,176,1392,420,557
教育,学習支援業1,950,7341,827,596
医療,福祉8,162,3987,374,844
複合サービス事業435,970484,260
サービス業(他に分類されないもの)5,234,3374,759,845
公務(他に分類されるものを除く)2,024,8562,024,856
総務省:令和3年経済センサスより筆者作成

1人当たり外食支出額

【1人当たり食料支出推移(総世帯)】

スクロールできます
品目2015年2020年2025年2030年2035年2040年
生鮮食品1009995939189
加工食品100105110117124132
外食100104106108110113
農林水産省:「我が国の食料消費の将来推計」より筆者作成

【内食・中食・外食】エンゲル係数・外食率・食の外部化率とは

近年、共働き世帯の増加やライフスタイルの変化に伴い、
食生活にも変化が起こっています。

その中でも顕著なのが「内食・中食・外食」の割合の変化です。

中食には、惣菜やお弁当以外にも、テイクアウト、デリバリーなど様々な形態があります。

MEMO:内食、中食、外食とは
内食(うちしょく)
家庭で食材を調理して食べること
中食(なかしょく)
惣菜やお弁当を購入して自宅などで食べること
外食(がいしょく)
レストランなどで食べること

【エンゲル係数とは】

「エンゲル係数=食料費÷家計支出」

1世帯当たりの総支出に占める食料費用の割合を示します。
一般的に、エンゲル係数が低いほど、生活水準が高いとされています。

【エンゲル係数】家計消費支出と食料費推移

消費支出食料費エンゲル係数
20152,965,515812,64627.4%
20162,909,095814,50328.0%
20172,921,476811,23227.8%
20182,956,782813,02327.5%
20192,996,452819,06427.3%
20202,802,811800,13728.5%
20212,821,442792,70628.1%
20222,930,777815,24127.8%
総務省統計局:家計調査報告より筆者作成

【外食率とは】

「外食率=外食費÷食料費」

1世帯当たりの食料費用に占める外食費用の割合を示します。

【外食率推移】

食料費外食費外食率
2015812,646169,16520.8%
2016814,503164,54120.2%
2017811,232163,86820.2%
2018813,023163,75220.1%
2019819,064169,36920.7%
2020800,137121,06015.1%
2021792,706117,76514.9%
2022815,241136,38916.7%
総務省統計局:家計調査報告より筆者作成

【食の外部化率とは】

「食の外部化率=(調理食品+外食)÷食料費」

1世帯当たりの食料費用に占める調理済み食品と外食費用の合計の割合を示します。

【食の外部化率推移】

食料費調理食品費外食費食の外部化率
2015812,646101,668169,16533.3%
2016814,503106,228164,54133.2%
2017811,232107,686163,86833.5%
2018813,023110,104163,75233.7%
2019819,064112,801169,36934.5%
2020800,137116,634121,06029.7%
2021792,706122,327117,76530.3%
2022815,241126,716136,38932.3%
総務省統計局:家計調査報告より筆者作成

全世界の外食産業の市場規模

今後も世界的に人口増加は確実視され、同時に飲食の総需要も増えていきます。

参照元の定義が異なるため、数値にも差異があります。

しかし、どの調査からも世界的には大きく成長する産業です。

【農林水産省】
飲食料の市場規模
2015年:890兆円
2030年:1,360兆円

【Fortune Business Insights】
世界のフードサービス市場規模
2022年:2兆3,950億ドル
2023年:2兆6,469億ドル
2030年:5兆4,235億ドル

【グローバルインフォメーション】
2023年:2兆4,200億米ドル
2024年:2兆5,300億米ドル
2030年:3兆3,700億米ドル

外食産業の現状と課題

外食産業は成長を続けている一方で、多くの課題にも直面しています。
以下では、現状の主要な課題について説明します。

「人手不足」深刻な少子高齢化問題

  • 若年労働力の減少:高齢者や外国人労働者の依存増加。
  • 働きやすい環境整備:労働条件の改善。
  • AI・ロボット導入:業務の自動化で効率化。
  • 労働力確保策:リクルート活動の強化。

「働き方改革」現場への影響と実現の可能性

  • シフト制導入:勤務時間の柔軟化。
  • 勤務時間短縮・休日増加:労働環境の改善。
  • 従業員スキルアップ:キャリアパスの整備。
  • 従業員満足度向上:離職率の低減を目指す。

「値上げ」原材料費高騰と消費者の意識

  • 原材料費高騰:価格見直しの必要性。
  • 品質・サービス向上:値上げの正当化。
  • 持続可能な食材使用:環境への配慮。
  • 地元産食材の活用:ローカル食材の取り入れ。
  • 消費者の意識変化:付加価値を重視する傾向。

外食産業は、これらの課題に対処しつつ、成長を続けています。市場の動向や消費者ニーズに適応することで、持続可能な発展を目指していくことが求められます。

外食産業の未来展望

外食産業は技術革新や社会の変化に対応しながら、未来に向けた新たな展望を広げています。以下では、未来展望に関する主要なトレンドを箇条書きで紹介します。

「デリバリー」市場の拡大の背景と今後

  • コロナ禍の影響:デリバリー需要の急増。
  • 消費者の利便性重視:外出を控える傾向。
  • デリバリープラットフォームの拡大:Uber Eats、出前館などの普及。
  • 多様なメニューの提供:レストランの競争激化。
  • 今後の展望:無人配達ロボットやドローンの導入。

「デジタル」顧客体験の向上と効率化

  • オンライン予約システム:待ち時間の短縮。
  • モバイルオーダー:便利な注文方法。
  • デジタル決済:キャッシュレス化の進展。
  • 顧客データ活用:パーソナライズされたサービスの提供。
  • 効率化の取り組み:スマートキッチンやIoTデバイスの導入。

「フードテック」世界の食料問題の解決

  • 代替肉の開発:Beyond Meat、インポッシブルフーズなどの普及。
  • 培養肉技術:食肉生産の持続可能性向上。
  • 垂直農法:都市部での新たな農業手法。
  • フードロス削減:食材管理技術の進化。
  • 持続可能な食料供給:グローバルな課題解決への貢献。

「サステナビリティ」環境・社会への貢献

  • 環境負荷の軽減:エネルギー効率の高い設備の導入。
  • 地元食材の活用:地産地消の推進。
  • プラスチック削減:リサイクル可能な包装材の使用。
  • フードバンクとの連携:余剰食品の有効活用。
  • 社会貢献活動:コミュニティ支援や慈善活動の推進。

「ダイバーシティ」個人のニーズの多様化

  • 多様な食文化の導入:エスニック料理の普及。
  • 食物アレルギー対応:安全なメニューの提供。
  • ベジタリアン・ヴィーガン対応:代替メニューの拡充。
  • 特定の食事制限対応:グルテンフリーや低カロリーメニュー。
  • パーソナライズドサービス:個々の嗜好や健康状態に応じた提案。

外食産業はこれらの未来展望を取り入れながら、持続可能で多様な市場を形成していくことが期待されています。技術革新と社会的なニーズの変化に対応することで、新たな成長機会を見出していくでしょう。

プロの料理人として外食産業で活躍するために

「一流の技術と知識」まずは基本から

プロの料理人として成功するためには、まず基本をしっかりと身につけることが重要です。

一流の技術と知識は、どんな料理を作る上でも欠かせません。

  • 基本技術の習得:包丁の使い方、火加減の調整、調味料の使い方など、基礎的な技術。
  • 材料の知識:食材の選び方や保存方法、旬の食材について理解。
  • 調理方法の理解:和食、洋食、中華など、さまざまな調理法で応用力を高める。
  • 衛生管理:衛生的な環境で調理するための知識と実践が不可欠。

「プロの自覚と心構え」尊敬・信頼される板前に

プロの料理人として活躍するためには、自覚と心構えが必要です。

  • 責任感:自分の料理に誇りを持ち、常に最高の品質を提供することを心掛ける。
  • 向上心:常に学び続け、新しい技術や知識を積極的に取り入れる姿勢が大切。
  • チームワーク:調理場はチームで動くため、協力と円滑なコミュニケーションが重要。
  • 礼儀とマナー:お客様に対する礼儀や同僚への思いやりを忘れずに。

「少子高齢化の日本」求められる料理とは

日本は少子高齢化が進んでおり、外食産業においてもその影響は無視できません。

高齢者や少人数家庭に向けた料理が求められています。

  • 健康志向のメニュー:高齢者向けに低カロリーで栄養バランスの取れたメニューの提供。
  • 小分けの提供:少人数家庭向けに、量を調整したメニューや小分けの料理。
  • 柔らかい食材の使用:高齢者が食べやすいように、柔らかい食材や調理法を工夫。
  • 季節感のある料理季節の食材を取り入れた料理は、日本の文化を感じさせる大切な要素。

「視野を広げる」成長する世界市場

縮小する国内だけでなく、海外市場を含めたグローバルな視点で料理を考えることが求められます。

  • 国際的な料理技術の習得:各国の料理技術やトレンドを学び、取り入れる。
  • 文化の理解:各国の食文化を理解し、それに合わせた献立の考案。
  • 語学力の向上:海外での活動や外国人客への対応には、語学力が不可欠。
  • 現地の食材の活用:海外の食材を取り入れることで、独自性のあるメニューを提供。

料理人として外食産業で活躍するためには、

  • 基本的な技術と知識
  • 自覚と心構え
  • お客様のニーズの理解
  • 国際的な視点

これらの要素を踏まえて、自らの技術とサービスを磨き続けることが、プロの料理人としての成功への道です。

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この記事を書いた人

板前歴22年。
日本料理の技術と知識と心構えを高めて、
自信を持ち、豊かな板前LIFEを送ろう。

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