新人 けんた先輩、ふぐ免許の鑑別って、本物のふぐを見て当てるんですか?



そうだ。実物5種類の名前を標準和名で答える試験だ。



22種類もあるのに、覚えきれるか不安です……。



国の基準は、22種を鑑別してほかを除くこと。手がかりを整理しよう。
ふぐ免許の鑑別は、実物のふぐ5種類の名前を標準和名で答える試験です。国の認定基準は「実物5種類以上」としていて、東京都は3分間、大阪府は5分間で答えます(令和8年度)。
この記事では、ふぐの種類の見分け方の手がかりを公的資料で整理し、筆者が講習で撮影した実物の写真9種類と並べて見られるようにしました。
この記事の要点
- 国の認定基準:実物5種類以上を鑑別し、標準和名で答える。学科の範囲には「食用可能な22種類を鑑別し、その他を排除する」とある
- 東京都:実物5種類を、都が用意した名札で3分間。大阪府:食用可能な5種類の実物を、選択肢から5分間で答える(令和8年度の案内)
- 学科にも、種類の外観を問う問題が毎年4〜6問ある(東京都・令和5〜7年度)。食用にできない種類も出ている
- 練習は、ふぐを扱える資格者の立会いのもとで。素人調理は危険(厚生労働省)
※2026年9月27日時点の公式情報にもとづきます。
※記事の最後で、試験の実施団体とは関係のない非公式の問題演習アプリ「ふぐ道場」を紹介しています。無料体験はこちら。
鑑別試験は何をする試験?
国の基準
厚生労働省の「ふぐ処理者の認定基準」は、実技の「種類の鑑別」で、実物5種類以上のふぐを鑑別し、種類を標準和名で答えることを求めています。学科の範囲にも、「食用可能な22種類のふぐを鑑別し、その他の種類を排除すること」とあります。
東京都
- 実物のふぐ5種類を出題し、都が用意した名札で、3分間で鑑別する
- 出題は、都の規則で定める食用のふぐの中から
- 配点と合格基準は公表されていません
大阪府
- 食用可能な5種類の実物のふぐを、標準和名で答える(択一式5問・5分間)
- 学科150点と、実技・鑑別150点の合計300点満点で総合判定。科目ごとの最低点は設けていません(合格点は公表されていません)
- 令和8年度は、学科が9月27日。実技・鑑別は11月2日〜12月3日の指定日です
- 令和7年度は、受験者481人、合格者328人、合格率68.2%でした
ほかの都道府県も、ほぼ全県で実物5種類です(山口県は8種類)。名前や方式は、受験する都道府県の案内で確認してください。
覚える相手は22種類
国が食用を認めるのは22種類です。別表1の21種(フグ科16・ハリセンボン科4・ハコフグ科1)と、海域を限った別表1の2のナシフグです。
- フグ科(16種):クサフグ・コモンフグ・ヒガンフグ・ショウサイフグ・マフグ・メフグ・アカメフグ・トラフグ・カラス・シマフグ・ゴマフグ・カナフグ・シロサバフグ・クロサバフグ・ヨリトフグ・サンサイフグ
- ハリセンボン科(4種):イシガキフグ・ハリセンボン・ヒトヅラハリセンボン・ネズミフグ
- ハコフグ科(1種):ハコフグ
- 海域を限った種:ナシフグ
答えるのは標準和名です。地方名では答えません。
食用にできない種類も、試験に出ることがあります。東京都の学科では、食用不可のモヨウフグ・ドクサバフグ・ホシフグの外観を問う問題が出ています(令和5〜7年度)。種類の外観を問う問題は、毎年4〜6問です。
トラフグ属には自然の中で雑種が多くいます。厚生労働省は、種類不明のフグや、両親の種類が鑑別できない雑種のフグは、確実に排除するよう求めています。
ふぐの種類の見分け方(6つの手がかり)
厚生労働省のリスクプロファイルは、体の色や模様、胸びれの後ろの黒い斑紋、尻びれの色、小棘(とげ)の有無、大きさで種類を書き分けています。4種の例を要約します。
- クサフグ:背は深緑色で、白い小さな斑点が散らばる。胸びれのすぐ後ろに黒い斑紋があり、背と腹に小棘がある。全長15cm以下の小型種
- トラフグ:背は黒い斑点が重なって黒褐色。胸びれの後ろに白く縁取られた大きな黒い斑点があり、尻びれは白い。背と腹に小棘がある。80cm以上に達する
- ショウサイフグ:背は茶色の地色に濃褐色の模様。腹と尻びれは白く、背と腹に小棘はない
- ヒガンフグ:背と側面は赤みをおびた褐色で、黒褐色の小斑点が多い。皮にいぼ状の小さな突起があり、小棘はない
出典:厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル:魚類:フグ毒』をもとに、当サイトで要約しました。
小棘の有無で分かれる組合せ(クサフグとショウサイフグなど)があります。資料によって書き方が違う種類もあるため、受験する都道府県の教本や講習の資料に合わせて覚えましょう。
実物の写真で見る9種類(筆者撮影)
約20年前、当時の築地市場で講習を受けたときに、筆者が撮影した見本です。名札は当時の講習のものです。上の手がかり(体の色・模様・胸びれの後ろの紋・尻びれの色・小棘・大きさ)と見比べてみてください。


















練習のしかた
- 22種類の標準和名を、声に出して覚える
- 種類ごとに、体の色・模様・胸びれの後ろの黒い紋・尻びれの色・小棘・大きさの6点をメモにする
- 似た種類を2つ並べて、違う点を比べる
- 実物は、講習や展示で、ふぐを扱える人の立会いのもとで見る
- 学科の「種類の外観」の問題で、覚えた特徴を確かめる
自宅で練習用にふぐを買って、さばくことはおすすめしません。厚生労働省は、フグの判別は素人には難しく、種類によって食べられる部位が異なるため、素人判断や素人による取扱い・調理は危険としています。
筆者の体験メモ
- 鑑別の準備:講習の一環で、当時の築地市場で実物のふぐの展示を見ました。20年ほど前のことでうろ覚えですが、本番では大きさで候補をしぼれることがありました。私のときは5匹のうち1匹が大きな魚体で、大型の種類の中から考えられました。そのとき撮った見本の写真を、上の「実物の写真で見る9種類」に載せています
※筆者個人の体験です。試験の基準や合格の方法を示すものではありません。
確認問題(体験版の問題から)
厚生労働省『ふぐ処理者の認定基準』の実技「ふぐの臓器鑑別」の内容として、正しいものを一つ選びなさい。
- 生殖巣の雌雄を見分け、両性ふぐであるか否かも確認する
- 鑑別の対象は肝臓だけで、ほかの臓器は対象にしない
- 生殖巣は雌雄を見分ける必要がなく、まとめて扱えばよい
- 両性ふぐかどうかの確認は、臓器鑑別の内容に含まれない
答え:1番目。認定基準は、肝臓・腎臓・脾臓・心臓・胆のう・生殖巣・胃腸などを鑑別することに加えて、雌雄を鑑別し、両性ふぐであるか否かを確認することを求めています。
よくある質問
Q. 鑑別は、実物ですか?写真ですか?
A. 東京都は実物のふぐ5種類、大阪府も食用可能な5種類の実物を出題します(令和8年度の案内)。
Q. 鑑別の時間は何分ですか?
A. 東京都は3分間、大阪府は5分間(択一式5問)です。
Q. 何問正解すれば合格ですか?
A. 東京都は配点と合格基準を公表していません。大阪府は、学科と実技・鑑別の合計300点で総合判定し、科目ごとの最低点は設けていませんが、合格点は公表されていません。
Q. 鑑別で答える名前は、地方名でもいいですか?
A. 標準和名で答えます。国の認定基準が、種類を標準和名で答えることを求めています。
Q. 食用にできないふぐも出ますか?
A. 国の基準は、食用可能な22種類を鑑別して、その他を排除することです。東京都の学科では、食用不可の種類の外観を問う問題が出ています。
Q. 自宅でふぐを買って練習してもいいですか?
A. おすすめしません。厚生労働省は、素人判断や素人による取扱い・調理は危険としています。実物の練習は、ふぐを扱える資格者の立会いのもとで行ってください。
公式情報
- 厚生労働省『ふぐ処理者の認定基準について』(令和元年10月31日 生食発1031第6号)
- 厚生労働省『フグの衛生確保について』(局長通知)
- 厚生労働省『自然毒のリスクプロファイル:魚類:フグ毒』
- 大阪府 ふぐ処理試験
- 東京都保健医療局(「令和8年度東京都ふぐ取扱責任者試験の実施について」を掲載)
この記事は、国・都道府県とは関係なく独自にまとめたものです。試験の日程・方式は、必ず各都道府県の公式ページで確認してください。
まとめ
- 鑑別は、実物5種類の標準和名を答える試験。東京都は3分、大阪府は5分
- 覚えるのは、食用が認められた22種類。学科には食用不可の種類も出る
- 色・模様・黒い紋・尻びれ・小棘・大きさの6点で、特徴を整理する
- 実物の練習は、ふぐを扱える資格者の立会いのもとで



22種類の名前から、まず覚えていきます。



名前と特徴をセットでな。練習は資格者の立会いでやるんだぞ。



家で練習はしません。非公式のアプリで確認だけ試します。



それでいい。土台は講習と実物だ。アプリはその補助だぞ。
試験の全体像と、東京都・大阪府の違いは、次の記事にまとめています。


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