新人 けんた先輩、管理栄養士の国家試験って、栄養士の免許がないと受けられないんですか?



管理栄養士養成施設を出た人なら、栄養士免許なしで受けられる。2025年の改正だ。



そうなんですね。合格率は5割くらいって聞きました。けっこう難しい試験なんですか?



全体だと5割弱だが、新卒と既卒で差が大きい。厚生労働省の発表で整理していこう。
管理栄養士国家試験の受験資格・科目と問題数・試験日・受験料・合格率、免許の申請までを、栄養士法と厚生労働省の公式情報(一次情報)だけで整理します。
この記事の要点
- 受験資格は「管理栄養士養成施設(4年制)の卒業」か「栄養士養成施設の卒業+栄養士免許+実務1〜3年」
- 第41回は令和9年2月28日(日)に全国9か所で実施。受験料6,800円、書類の受付は令和8年11月2日〜12月4日
- 全200問・120点以上で合格。合格率は47.6%(第40回・厚生労働省)だが、新卒79.3%・既卒は約1割と差が大きい
- 合格後は住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に免許を申請する。更新制度はない
※2026年10月3日時点の公式情報にもとづきます。
管理栄養士とは?
栄養士法にもとづく国家資格です。厚生労働大臣の免許を受けて、病気の人の療養のための栄養指導、一人ひとりの体の状態に合わせた高度な栄養指導、病院や施設などでの特別な配慮が必要な給食管理などを行います(栄養士法第1条第2項)。
免許を受けた人だけが「管理栄養士」を名乗れる名称独占の資格です(同法第6条第2項)。病気の人に栄養指導をするときは、主治の医師の指導を受けることになっています(同法第5条の5)。
管理栄養士になる2つのルート
- 管理栄養士養成施設ルート:4年制の管理栄養士養成施設を卒業する(卒業見込みでも受験できる)→ 国家試験
- 栄養士ルート:栄養士養成施設(2〜4年制)を卒業して栄養士の免許を受け、栄養の指導の実務を積む → 国家試験
どちらのルートも、管理栄養士国家試験に合格して免許を受ける必要があります(同法第2条第3項)。


どこで必要とされる?
健康増進法では、都道府県知事が指定する特定給食施設に管理栄養士を置く義務があります(第21条第1項)。たとえば、医学的な管理が必要な人に継続して1回300食以上または1日750食以上の食事を出す施設です(同法施行規則第7条)。病院や福祉施設などで栄養管理の仕事をしたい人が目指す資格です。
資格の基本情報
| 名称 | 管理栄養士 |
|---|---|
| 資格区分 | 国家資格 (名称独占) |
| 免許 | 厚生労働大臣 |
| 受験資格 | 管理栄養士養成 施設の卒業 または栄養士免許 +実務1〜3年 |
| 試験日程 | 令和9年2月28日(日) (第41回) |
| 申込期間 | 令和8年11月2日 〜12月4日 (第41回) |
| 受験料 | 6,800円 (収入印紙) |
| 合格率 | 47.6% (第40回・ 厚生労働省) |
| 試験内容 | 9科目+応用力試験 全200問 |
| 合格基準 | 120点以上/200点 (第38〜40回) |
| 試験会場 | 全国9か所 |
| 公式情報 | 管理栄養士国家試験 (厚生労働省) |
受験資格
次のどれかに当てはまる人が受験できます(栄養士法第5条の3。日付は第41回の場合)。
- 2年制の栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後、3年以上栄養の指導に従事
- 3年制の栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後、2年以上栄養の指導に従事
- 4年制の栄養士養成施設を卒業して栄養士の免許を受けた後、1年以上栄養の指導に従事
- 4年制の管理栄養士養成施設を卒業(令和9年3月10日までに卒業する見込みの人を含む)
実務の年数は、第41回では令和8年12月4日(金)までに満たしている必要があります。ほかに、昭和60年の法改正前の特例の養成施設を卒業した人の区分もあります。
2025年4月から、栄養士免許がなくても受験できる人が
以前の栄養士法は「栄養士であつて」次のどれかに当てはまる人、としていました。2025年4月1日施行の改正(令和6年法律第53号)でこの言葉が削られ、管理栄養士養成施設の卒業者は、栄養士の免許を受けていなくても受験できるようになりました。第41回の受験要領でも、管理栄養士養成施設の既卒者は栄養士免許証の写しを出しません。栄養士ルートの人は、今までどおり免許を受けた後の実務が条件です。
実務として認められる施設
- 寄宿舎・学校・病院などで、特定多数人に継続して食事を出す施設
- 食品の製造・加工・調理・販売をする営業の施設
- 学校・専修学校・各種学校・幼保連携型認定こども園
- 栄養の研究施設、保健所など栄養の事務をする行政機関
- そのほか、栄養の知識の普及など栄養の指導をする施設
(栄養士法施行規則第16条)。厚生労働省の受験要領では、栄養指導業務を「献立作成、食品材料の選択、栄養に関する教育、栄養に関する調査研究、栄養行政に関する業務、栄養に関する相談・指導、栄養に関する知識の普及向上」としています。
実務として認められない主な例
- 栄養士の免許を受ける前の経験
- 販売員・調理員など、栄養指導業務以外の業務も同時に行っている場合
- パート・非常勤で、週4日以上かつ1日6時間以上に満たない勤務(例:週3日・1日8時間、週5日・1日5時間)
実務は、施設長に書いてもらう「実務証明書」で証明します。複数の施設で期間を合計するときは、施設ごとに証明書を作り、31日を1か月として数えます(第41回受験要領)。



栄養士として病院の厨房にいれば、調理の担当でも実務の年数に入りますよね?



そこは注意だ。調理員など栄養指導以外の業務も同時にしていると、実務と認められない。



パートでもいいんですか?週3日、1日8時間なら合計24時間で足りそうですけど。



それは認められない例だ。週4日以上かつ1日6時間以上と、受験要領に書いてある。
試験の内容と合格基準
試験は学科試験で(栄養士法施行令第16条)、科目は栄養士法施行規則第15条で決まっています。出題数の配分は、厚生労働省の出題基準の改定検討会報告書(令和4年度。第38回から適用することが望ましいとされた)で次のとおりです。
- 応用力試験:30問
- 人体の構造と機能及び疾病の成り立ち:26問
- 臨床栄養学:26問
- 食べ物と健康:25問
- 給食経営管理論:18問
- 社会・環境と健康:16問
- 応用栄養学:16問
- 公衆栄養学:16問
- 基礎栄養学:14問
- 栄養教育論:13問


合計200問です。応用力試験は、科目をまたいだ問題を扱います。報告書では、5つの選択肢から1つの正解を選ぶ形を原則とすることが望ましいとしています。第40回は午前(10時00分〜12時25分)と午後(13時40分〜16時20分)に分けて行われました。
合格基準は、第38回〜第40回とも1問1点で、総合点120点以上/200点でした(厚生労働省発表)。科目ごとの基準は示されていません。



200問中120点なら6割ですね。得意な科目だけで点を稼げば合格できそうです!



合格基準は総合点だが、応用力試験の30問は科目をまたぐ問題だ。偏った勉強は危ない。



なるほど。じゃあ問題数の多い人体と臨床栄養学から、手をつけるのがよさそうですね。



出題数の配分を見て計画を立てるのはいい。ほかの科目も後回しにしすぎないことだ。
試験日・申込期間・合格発表
試験は厚生労働大臣が毎年少なくとも1回行います(栄養士法第5条の2)。全国共通の日程で、試験地は北海道・宮城県・埼玉県・東京都・愛知県・大阪府・岡山県・福岡県・沖縄県の9か所です。
第41回(令和8年度)の日程
| 願書の入手 | 窓口または ダウンロード |
|---|---|
| 書類受付 | 令和8年11月2日(月) 〜12月4日(金) (書留郵送・消印有効) |
| 受験票 | 令和9年2月10日(水) に投函 |
| 試験日 | 令和9年2月28日(日) |
| 合格発表 | 令和9年3月26日(金) 午後2時 |
書類は管理栄養士国家試験運営本部事務所に書留で送るのが原則です。12月4日の消印を過ぎると受け付けられません。卒業見込みで出願した人は、令和9年3月10日(水)午後5時までに卒業・履修証明書が届かないと、受験が無効になります。
合格者は厚生労働省のウェブサイトに受験地と受験番号が載り、合格証書も同じ日に郵送で発送されます。電話での合否の問い合わせには応じていません。試験会場は受験票と一緒に案内されます。日程は回ごとに発表されるので、最新の回は厚生労働省のページで確かめましょう。
受験料
6,800円です(第41回。栄養士法施行規則第18条)。受験料の分の収入印紙を受験願書に貼って納めます。書類が受理された後は返還されません(第41回の施行公告)。
合格率と難易度
厚生労働省が発表している全体の結果です。
| 回 | 合格率・人数 |
|---|---|
| 第40回 (2026年3月) | 47.6% 受験者 15,927人 合格者 7,582人 |
| 第39回 (2025年3月) | 48.1% 受験者 16,169人 合格者 7,778人 |
| 第38回 (2024年3月) | 49.3% 受験者 16,329人 合格者 8,056人 |


第36回の65.1%、第37回の56.6%から下がり続け、第38回〜第40回はいずれも5割を下回りました。
新卒と既卒で大きな差
厚生労働省は学校の区分ごとの合格率も出しています。第40回の結果です。
| 管理栄養士 養成課程 (新卒) | 79.3% 受験者 8,585人 合格者 6,810人 |
|---|---|
| 管理栄養士 養成課程 (既卒) | 9.4% 受験者 2,222人 合格者 208人 |
| 栄養士 養成課程 (既卒) | 11.0% 受験者 5,120人 合格者 564人 |
第39回は新卒80.1%・管理栄養士養成課程の既卒11.1%・栄養士養成課程の既卒11.7%、第38回は新卒80.4%・7.8%・11.1%でした。第38回〜第40回は、新卒が約8割、既卒が1割前後という差が続きました。
難易度はどのくらい?
全体では受験者の半数以上が不合格です。とくに既卒の受験者(栄養士養成課程の卒業者を含む)の合格率は1割前後にとどまります。勉強時間の公式な目安は公表されていないため、この記事では書きません。
勉強方法と過去問
問題数が多いのは、応用力試験(30問)、人体の構造と機能及び疾病の成り立ち(26問)、臨床栄養学(26問)、食べ物と健康(25問)です。この4つで107問と、全体の半分を超えます。合格基準は総合点なので、出題数の配分を見ながら全科目を進めましょう。
出題の範囲は、厚生労働省の「管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)」で確かめられます。出題基準はおおむね4年に一度見直す方針とされているので、新しい版が出ていないかも確認しましょう。
過去問はどこで手に入る?
厚生労働省が、試験の問題(午前・午後)と正答を公開しています(例:「第40回管理栄養士国家試験の問題および正答について」)。
合格したら:免許の申請とその後
管理栄養士の免許は、厚生労働大臣が管理栄養士名簿に登録して与えます(栄養士法第4条第3項)。合格したら、住所地の都道府県知事を経由して厚生労働大臣に免許を申請します(栄養士法施行令第1条第2項)。
- 添える書類:合格証書(またはその写し)、戸籍謄本・抄本または住民票の写し(栄養士法施行規則第1条第4項)
- 登録免許税:15,000円(登録免許税法 別表第一)
- 受付窓口:都道府県庁か保健所かなど、都道府県で違う(厚生労働省「管理栄養士免許申請受付窓口一覧」)
免許証も、住所地の都道府県知事を経由して交付されます(同施行令第1条第3項)。
更新制度はない。名前が変わったら名簿の訂正
栄養士法には、免許の有効期限や更新の定めはありません。ただし、氏名や本籍地の都道府県などが変わったときは、30日以内に管理栄養士名簿の訂正を申請します(同施行令第3条第3項)。
食品衛生責任者にもなれる
管理栄養士は、養成講習会を受けなくても飲食店などの食品衛生責任者になれます(食品衛生法施行規則 別表第十七)。
栄養士との違い
どちらも栄養士法の資格ですが、免許を出すところと取り方が違います。
- 栄養士:都道府県知事の免許。厚生労働大臣が指定した栄養士の養成施設で2年以上学んだ人に与えられ、国家試験はない(栄養士法第2条第1項)。仕事は「栄養の指導」(同法第1条第1項)
- 管理栄養士:厚生労働大臣の免許。国家試験に合格した人に与えられる(同法第2条第3項)。病気の人の療養のための栄養指導や、特別な配慮が必要な給食管理なども仕事に含まれる(同法第1条第2項)
名簿も別で、栄養士は都道府県、管理栄養士は厚生労働省の名簿に登録されます(同法第3条の2)。
よくある質問
Q. 栄養士の免許がなくても受験できますか?
A. 4年制の管理栄養士養成施設の卒業者(見込みを含む)はできます(2025年4月施行の改正)。栄養士養成施設のルートでは、栄養士の免許と実務が必要です。
Q. パート・非常勤の勤務も実務になりますか?
A. 週4日以上かつ1日6時間以上の勤務で、栄養の指導に従事していれば認められます。週3日・1日8時間などは認められません。
Q. 調理の仕事も兼ねている場合は?
A. 販売員・調理員など、栄養指導業務以外の業務も同時に行っている場合は、実務期間とみなされません(第41回受験要領)。
Q. 試験は年に何回ありますか?
A. 法律では毎年少なくとも1回です。第41回は令和9年2月28日(日)の1日です。
Q. 合格発表はいつですか?
A. 第41回は令和9年3月26日(金)午後2時に、厚生労働省のウェブサイトで発表されます。
Q. 何点取れば合格ですか?
A. 第38回〜第40回は、200点満点で総合点120点以上でした。
Q. 合格したら、すぐ管理栄養士を名乗れますか?
A. いいえ。免許を申請し、管理栄養士名簿に登録されてからです。
Q. 免許に有効期限や更新はありますか?
A. ありません。氏名などが変わったら、30日以内に名簿の訂正を申請します。
Q. 過去問はどこで手に入りますか?
A. 厚生労働省のウェブサイトで、問題と正答が公開されています。
公式情報
- 栄養士法(e-Gov法令検索)
- 栄養士法施行令(e-Gov法令検索)
- 栄養士法施行規則(e-Gov法令検索)
- 第41回管理栄養士国家試験の施行について(厚生労働省)
- 第41回管理栄養士国家試験の実施について・受験要領(厚生労働省)
- 第40回管理栄養士国家試験の合格発表(厚生労働省)
- 第39回管理栄養士国家試験の合格発表(厚生労働省)
- 第38回管理栄養士国家試験の合格発表(厚生労働省)
- 管理栄養士国家試験出題基準(ガイドライン)改定検討会(厚生労働省)
- 管理栄養士免許申請受付窓口一覧(厚生労働省)
- 管理栄養士・栄養士関係(厚生労働省)
この記事は、厚生労働省とは関係なく独自にまとめたものです。出願の前に、必ずその回の受験要領で確認してください。
まとめ
- 受験資格は、管理栄養士養成施設の卒業か、栄養士免許+実務1〜3年(養成施設の年数で変わる)
- 管理栄養士養成施設の卒業者は、2025年4月から栄養士免許なしで受験できる
- 第41回は令和9年2月28日に試験、書類の受付は令和8年12月4日の消印まで、合格発表は令和9年3月26日
- 全200問・120点以上で合格。合格率は5割弱で、既卒は1割前後
- 合格後は住所地の都道府県知事を経由して免許を申請する。更新制度はない



既卒だと合格率が1割くらい……。卒業したら、働きながら受けるのは大変そうです。



数字の上では新卒と大きな差がある。出題基準と過去問で、早めに準備を始めることだ。



管理栄養士なら、講習なしで食品衛生責任者にもなれるんですね。ほかも知りたいです。



そうだな。資格の一覧や食品衛生責任者の記事があるから、続けて読んでくれ。
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