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新人 けんた先輩、今の店がしんどくて……。でも板前の転職って、どう探すんですか?



俺は6回転職したけど、全部人づてだった。よかった店も、困った店もある。



人づて以外だと、求人サイトとか転職エージェントですよね。どれがいいんだろう。



向き不向きがある。俺が失敗したところも含めて、使い分けを話そう。
板前の転職先の探し方は、①人づて(親方・先輩の紹介)、②求人サイト・ハローワーク、③転職エージェントの3つです。給料や休みをはっきり変えたいなら、人づてだけに頼らず、条件の交渉まで任せられる転職エージェントを1つ足すのが近道です。
この記事の要点
- 飲食は人の入れ替わりがいちばん多い業界。入職率28.4%・離職率25.1%で、全産業の約2倍(令和6年・厚生労働省)
- 人づては店の中身が分かる反面、給料の交渉や断ることがしにくい
- 転職エージェントは求職者は無料。書類・面接・条件の交渉まで間に入ってくれる
- どの探し方でも、給料の内訳・休みの数・社会保険は、入る前に書面で確かめる
※筆者の体験と、2026年10月に確認した公式情報にもとづきます。
板前の転職は、めずらしいことではない
板前として20年以上働いてきて、転職をしたことがない板前にはほとんど会ったことがありません。いくつかの店で、いろいろな親方から仕事を学ぶのが、この仕事の当たり前だからです。
数字でも同じことが言えます。厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」では、「宿泊業,飲食サービス業」の入職率は28.4%、離職率は25.1%。どちらも全16産業の中で最も高く、全産業の平均(入職率14.8%・離職率14.2%)の約2倍です。
転職は、逃げでも負けでもありません。自分の暮らしと料理を守るための、前向きな選択です。
僕の転職6回は、すべて「人づて」だった
先に正直に書いておきます。僕は転職エージェントを使ったことがありません。6回の転職は、すべて親方や先輩からの紹介です。都心の料亭、ミシュランの星を取った店、会員制クラブなどで働き、料理長も経験しました。途中で半年、仕事を離れて休んだこともあります。
20代のころの職場
- 毎日12時間以上、週6日の勤務
- 休憩なし。残業手当も有給休暇もない
- 社会保険に入っていない
- 昇給は3年間で1万円
休みの日は疲れて寝るだけ。それなのに、なかなか寝付けない。貯金はできず、友達の結婚式にも休みをもらえず、10円ハゲもできました。それでも当時は「板前はこういうものだ」と思っていました。
店を変えて、変わったこと
- 週休1日のシフト制から、土日祝日が定休の店へ
- 住宅手当(月5万円)のある店へ
- ボーナス(年2回・20万円)のある店へ
- 尊敬できる先輩と、頼れる後輩に出会えた
しっかり眠れるようになり、貯金も投資もできるようになりました。8年ぶりに彼女ができて、結婚もしました。同じ板前の仕事でも、店が変わるだけで暮らしは大きく変わります。
人づての転職で困ったこと
人づてには、よいところもあります。紹介してくれる人が店の中をよく知っているので、仕事の中身や親方の人柄を前もって聞けます。腕を見込まれての紹介なら、話も早く進みます。
一方で、6回のうちに困ったこともはっきりありました。
- 給料や休みの交渉ができない:紹介してくれた人の顔をつぶせず、出された条件をそのまま受けてしまう
- 断りにくい:話を聞いた時点で、ほぼ決まったような空気になる
- 選べる店が少ない:紹介する人の付き合いの範囲の店しか出てこない
- しがらみが残る:季節ごとのあいさつなど、移ったあとも気をつかう
紹介する人が、心から尊敬できる人とは限りません。「条件を良くしたい」が目的の転職なら、人づてだけでは足りないというのが、6回転職した僕の実感です。
板前の転職先の探し方3つ
①人づて(親方・先輩・学校の先生の紹介)
- よいところ:店の中身を前もって聞ける。腕を知っている人の紹介なので話が早い
- 困るところ:条件の交渉や、断ることがしにくい。選べる店が少ない
②求人サイト・ハローワーク
- よいところ:自分のペースで、たくさんの求人を見られる
- 困るところ:店の中の様子は求人票だけでは分からない。書類・面接・条件の確認は全部自分で行う
③転職エージェント(人材紹介会社)
- よいところ:求職者は無料。希望に合う求人を選んで紹介し、書類・面接・入社日や給料の調整まで間に入ってくれる。紹介者への義理がないので断りやすい
- 困るところ:最初に面談の時間をとる。担当者との相性がある。地域によっては求人が少ない
人づての紹介が来ていても、エージェントで相場や別の候補を知っておけば、比べて決められます。どれか1つに決める必要はありません。
板前の転職先には、どんな店がある?
和食の腕を生かせる職場は、街の料理店だけではありません。何を優先したいかで、向く職場が変わります。
- 料亭・割烹・寿司店:技術を深めたい人向け。親方の下で学べることが多い
- ホテル・旅館の和食部門:会社の規模が大きく、給料や休みのしくみが整っていることが多い。宴会など大人数の料理も経験できる
- 会員制クラブ・企業の役員食堂:予約や客層が決まっていることが多く、仕事の予定を立てやすい
- 給食・社員食堂・病院や施設の厨房:土日祝が休みの職場もある。家族との時間を増やしたい人向け
- チェーン店の料理長・本部:店の管理やメニュー作りに進みたい人向け
僕自身、料亭やミシュランの星を取った店、会員制クラブなどで働き、土日祝日が定休の店を選んだこともあります。「技術」「給料」「休み」のどれを一番にするかを先に決めておくと、店を選ぶときに迷いません。
飲食専門の転職エージェント「itk」でできること
飲食業界に絞った転職エージェントの一つが、株式会社アイティーケー(itk)の転職支援サービスです。公式サイトで確かめられた内容をまとめます(僕自身は利用していないので、体験談ではなく公式情報の紹介です)。
- サービスはすべて無料(公式サイトのよくある質問)
- 専任の担当者は全員、飲食業界の経験者
- 料理長・料理長候補、調理スタッフ、店長などの求人。非公開の求人もある
- 書類作成から面接対策まで手伝い、企業との面接にも同行する
- 内定後は、入社日の調整や年収の条件交渉も行う
- 土日祝日も営業し、夜間の相談にも対応している
板前にとって助かるのは、休みが少なくても夜や休日に相談できることと、言いにくい給料の話を代わりにしてもらえることです。人づての転職で僕がいちばん困ったのが、まさにこの交渉でした。
itkは、会って話す転職相談を大事にしているそうです。地方にお住まいの方は、最初の連絡で「住んでいる地域の求人があるか」を聞いておくと安心です。
\相談は無料。すぐ転職しなくても大丈夫/
登録から入社までの流れ
- エントリー:ホームページから申し込む(電話でも相談できる)。担当者から連絡が来る
- 転職相談:これまでの職歴と、給料・休み・勤務地などの希望を伝える
- 求人の紹介・応募:希望に合う求人を紹介してもらい、納得したら応募。履歴書や職務経歴書も手伝ってもらえる
- 面接:面接対策をして、当日は担当者も同席する
- 内定・入社:入社日や年収の条件を調整。入社後のフォローもある
エージェントが向いている人・人づてでいい人
転職エージェントが向いている人
- 給料・休み・社会保険など、条件をはっきり良くしたい
- 頼れる紹介先がない。今の店の人に知られずに探したい
- 初めての転職で、履歴書や面接に自信がない
- 忙しくて、求人を探したり比べたりする時間がない
人づてでいい人
- 心から尊敬できる親方・先輩から、具体的な話が来ている
- 条件より「この人の下で、この料理を学びたい」がはっきりしている
人づての話があっても、条件は必ず確かめましょう。迷ったら、エージェントで相場を聞いてから決めても遅くはありません。
板前が転職で失敗しないための4つのこと
ここからは、6回の転職で僕が学んだことです。人づてでも、エージェントを使っても同じです。
1. 辞める前に、次を決める
先に辞めると、お金の不安から「どこでもいい」と決めてしまいがちです。体と心が限界なら休むことが先ですが、そうでなければ、働きながら次を探すほうが落ち着いて選べます。
2. 条件は書面で確かめる
お店は雇うときに、給料や働く時間などの労働条件をはっきり示す決まりがあります(労働基準法第15条。給料などは書面などで示す)。口約束で済ませず、次の点を入る前に確かめましょう。
- 給料の内訳(基本給・手当・残業代・ボーナスの有無)
- 休みの数(週に何日か、年間で何日か)
- 1日の働く時間と休憩
- 社会保険(健康保険・厚生年金・雇用保険)に入れるか
3. できれば店を見ておく
客として食べに行く、面接の日に調理場を見せてもらうなど、働く場所を自分の目で見ておくと失敗が減ります。調理場の片付き方や、若い人の表情には、その店の空気が出ます。
4. 辞め方をきれいにする
板前の世界は狭く、どこかでまたつながります。辞めることは親方に直接伝え、忙しい時期を避け、引き継ぎをして出るのが一番です。法律では、期間の決まりのない雇用は申し出から2週間で終わります(民法第627条)が、店の就業規則に「1か月前まで」などとあれば、それに合わせると円満です。
よくある質問
転職エージェントは、なぜ無料なのですか?
紹介の手数料は、人を採用したお店(企業)が払うしくみだからです。職業紹介の事業者は、法律で、求職者から原則として手数料を取ってはいけないことになっています(職業安定法第32条の3第2項)。
板前が転職するなら、何年目がいいですか?
決まりはありません。僕の経験では、ひと通りの仕事を任されるようになったころ(技術を言葉で説明できるころ)が、条件の話をしやすい時期です。ただ、体や心を壊しそうなときは、年数より自分を守ることを優先してください。
30代・40代でも転職できますか?
できます。板前は経験そのものが技術の証明になる仕事で、料理長や料理長候補の求人は、むしろ経験を積んだ人に向けたものです。itkの公式サイトにも、年齢の条件は書かれていません。年齢が上がるほど、任せられる仕事(仕込みの範囲、献立づくり、人を育てた経験など)を具体的に話せるようにしておくと有利です。
今の店に知られずに転職活動できますか?
人づては、紹介する人を通して話が広がりやすい探し方です。求人サイトや転職エージェントは自分で直接動くので、人づてより話が広がりにくくなります。心配なら、登録のときに担当者へ「今の店には知られたくない」と伝えておきましょう。
転職に資格は必要ですか?
調理の仕事そのものに必須の資格はありません。ただ、調理師免許やふぐの資格は、求人の条件や手当につながることがあります。詳しくは「板前に必要な資格」の記事にまとめています。


出典
- 厚生労働省「雇用動向調査」(令和6年雇用動向調査結果の概況 表4-2)
- 株式会社アイティーケー(itk)公式サイト(有料職業紹介事業 許可番号 13-ユ-301934)
- e-Gov法令検索(労働基準法・民法・職業安定法)
※サービスの内容は2026年10月に公式サイトで確認したものです。最新の内容は公式サイトでご確認ください。
まとめ
- 飲食は人の入れ替わりが最も多い業界。板前の転職は当たり前のこと
- 人づては店の中身が分かるが、条件の交渉や断ることがしにくい
- 条件を良くしたいなら、交渉まで任せられる転職エージェントを1つ足す



人づての話を待つだけじゃなくて、自分でも動いていいんですね。



そうだ。俺は交渉ができずに損をした。条件は遠慮せず確かめろ。



まずは無料の相談で、自分の相場を聞いてみます!



それでいい。料理を嫌いになる前に、店を変えるのも腕のうちだ。
\飲食専門の転職エージェント(無料)/
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