新人 けんた先輩、フードスペシャリストって資格、社会人になってからでも取れますか?



協会が認定した大学・短大・専門学校の学科を卒業していることが条件なんだ。



じゃあ、独学で試験だけ受けるのは無理なんですね。ちょっと残念です……。



ただ、上位の専門資格には食品企業で働く人向けの試験がある。順に見よう。
フードスペシャリスト・専門フードスペシャリストの取り方・受験資格・試験日・受験料・合格率を、日本フードスペシャリスト協会の公式情報(一次情報)だけで整理します。
この記事の要点
- フードスペシャリストは、協会が認定した大学・短大・専門学校の学科(養成機関)で必修科目を修め、資格認定試験に合格して取る民間資格
- 養成機関を卒業していない社会人は、独学ではフードスペシャリストを受験できない。上位の専門フードスペシャリストには、食品関連企業で働く人向けの試験がある
- 試験は年1回・12月(令和8年度は12月20日)。受験料5,500円、合格後の認定料(資格認定証の交付手数料)5,500円(どちらも税込)
- 合格率(令和7年度・協会発表)は、フードスペシャリスト92.2%、専門フードスペシャリストは食品開発28.2%・食品流通・サービス46.7%
※2026年10月3日時点の公式情報にもとづきます。
フードスペシャリストとは?
公益社団法人 日本フードスペシャリスト協会が認定する民間資格です。協会の資格規程では、フードスペシャリストを「食に関する専門的、総合的知識と技術を有し、食について的確なる情報を提供することを専門とする者」と定めています。
協会は、食品の開発製造・流通・販売・外食などの食品産業をはじめ、食に関する幅広い分野で活躍する資格だと説明しています。
資格を取るまでの流れ
協会が「フードスペシャリスト養成機関」として認定した大学・短期大学・専門学校の学科に入り、必修科目の単位を修めます。そのうえで、毎年12月の資格認定試験に合格すると、卒業の時に資格認定証が交付されます。


栄養士・管理栄養士とはどう違う?
協会の説明では、栄養士・管理栄養士の課程が食べ物を健康に必要な栄養素の供給源としてとらえるのに対し、フードスペシャリストの課程は、食の本質を「おいしさ」「楽しさ」「おもてなし」に置き、官能評価・鑑別論、調理学、食物学などに力を入れています。養成機関には栄養学科・食生活学科・家政学科などがあります。
資格の基本情報
| 名称 | フードスペシャリスト 専門フード スペシャリスト (食品開発/ 食品流通・サービス) |
|---|---|
| 資格区分 | 民間資格 |
| 認定団体 | 公益社団法人 日本フード スペシャリスト協会 |
| 受験資格 | 養成機関の 在学生・卒業生 (専門は食品関連 企業の就業者も可) |
| 試験日程 | 年1回・12月 (令和8年度は 12月20日) |
| 申込期間 | 在学生:在籍校 の締切まで 既卒者:9月1日 ~9月30日 (令和8年度) |
| 受験料 | 5,500円 専門は各3,300円 (就業者向け 11,000円・税込) |
| 認定費用 | 5,500円 専門は各3,300円 (就業者向けの 合格者は5,500円 ・税込) |
| 試験内容 | 60問・80分 マークシート (四肢択一) |
| 合格率 | 92.2% (令和7年度 ・協会発表) |
| 合格基準 | 合格点は 公表なし |
| 公式情報 | フードスペシャリスト になるには (日本フード スペシャリスト協会) |
受験資格
令和8年度の実施要領では、フードスペシャリストの資格認定試験を受けられるのは次の人です。
- 養成機関の最終年次(2年制は1年次、3年制は2年次、4年制は3年次も)に在籍し、卒業までに必修科目の単位をすべて修得すると養成機関が認めた学生
- 養成機関を卒業し、必修科目の単位をすべて修得済み(または修得見込み)の人
- フードスペシャリストの授業科目を担当している教員など
必修科目は次の8科目で、最低単位数を合わせると21単位です(協会「フードスペシャリストになるには」)。
- フードスペシャリスト論:2単位
- 食品の官能評価・鑑別論:2単位
- 食物学に関する科目:5単位
- 食品の安全性に関する科目:2単位
- 調理学に関する科目:4単位
- 栄養と健康に関する科目:2単位
- 食品流通・消費に関する科目:2単位
- フードコーディネート論:2単位
在学中に合格しても、資格認定証は、必修科目の修得と養成機関の卒業を確かめてから交付されます。
社会人が独学で受けることはできる?
養成機関で学んでいない人が、独学でフードスペシャリストの試験を受けることはできません。受験できるのは、養成機関の在学生・卒業生と、授業を担当する教員などです(協会の資格規程第5条第3項・令和8年度の実施要領)。資格規程第3条も、養成機関を卒業した人などでなければ資格を取れないと定めています。
一方、養成機関を卒業した人は、社会人になってからでも既卒者として受験できます。協会は毎年6月ごろ、ホームページに「既卒者のための受験案内」を載せています。卒業時に単位が足りなかった人は、養成機関の「科目等履修生」として不足する単位を修めることができます。
専門フードスペシャリストは食品企業の就業者も受験できる
上位資格の専門フードスペシャリストは、原則としてフードスペシャリストの試験を同時に受ける人か、すでに合格した人が受験できます。これとは別に、協会は平成30年度から食品関連企業の就業者向けの試験を行っています。就業者は、フードスペシャリストの資格がなくても受験できます。
就業者向けの受験資格は、食品関連企業に在籍し、次のような職種に当たる業務をしていることです。
- 製造・調理・加工、営業、販売、マーケティング、バイヤー、営業計画、販売企画、研究・開発、生産管理、品質管理、設備管理、店舗開発、ホール担当、物流、広報(15職種)
その業務の勤務年数(累計)が、大学卒業者は2年以上、短期大学・専門学校・高等専門学校の卒業者は4年以上、それ以外の人は5年以上必要です。申請には、社員証の写しか、会社の在籍証明書(社判押印済み)を付けます。



料理屋で5年働いてます。専門フードスペシャリストなら受けられますか?



職種と勤務年数の条件がある。うちの店が当たるかは、まず協会に確かめよう。



調理もホール担当も職種に入っているんですね。受験料はいくらなんですか?



受験料は11,000円(税込)だ。令和8年度は7月1日〜9月30日が受付だった。
試験の内容と合格基準
フードスペシャリストの試験は、共通科目30問と専門選択科目30問の計60問です(令和8年度の実施要領)。
- 共通科目:フードスペシャリスト論6問、食品の官能評価・鑑別論9問、食品の安全性に関する科目8問、栄養と健康に関する科目7問
- 専門選択科目:食物学に関する科目9問、調理学に関する科目7問、食品の流通・消費に関する科目7問、フードコーディネート論7問


解答はマークシートで、フードスペシャリストは四肢択一、専門フードスペシャリストは五肢択一です。どちらも60問・80分で、各問2点の120点満点です。出題範囲は、主に科目ごとに協会が指定したテキストの記載事項です(食物学はコアカリキュラムを参照して出題)。協会は、食に関する時事的なテーマは範囲にかかわらず出題することがあるとしています。
合格点は公表されていない
合否は、得点結果に従って協会の専門委員会が判定します。何点以上で合格かという合格ラインの点数は、実施要領や規程に書かれていません。
なお、フードスペシャリストの合格者のうち上位10%以内の人は「Sランク」とされ、資格認定証に「フードスペシャリスト(Sランク)」と書かれます。
専門フードスペシャリストの合格の決まり
同じ日にフードスペシャリストと専門を受けた人は、専門で合格ラインに達していても、フードスペシャリストに合格していなければ不合格です。ただし翌年度にフードスペシャリストに合格すれば、その年度の専門に合格したことになります。
また専門の試験では令和元年度から、共通科目と専門選択科目の結果を2年度分合わせて判定する「分野合格」があります。前の年度に片方だけ合格ラインに達して不合格になった人は、次の年度にもう片方で合格ラインに達すれば合格です。分野合格の候補者は、受験料と連絡通信費が免除されます。



フードスペシャリストの合格率は9割超えなんですね。それなら楽勝ですね!



令和5〜7年度で9割超えは令和6・7年度だ。受けるのは認定校で学んだ人だぞ。



専門のほうは合格率が2〜4割台なんですね。ぐっと難しくなりそうです。



専門は五肢択一だ。それに同時受験ならフードスペシャリストの合格も要るぞ。
試験日・申込期間
試験は毎年1回、原則として12月の第3日曜日に、全国の養成機関を置く大学・短期大学・専門学校を会場に行われます。在学生は在籍校で、既卒者は卒業した学校で受けるのが原則です(難しい場合は協会があっせん)。就業者の会場は協会があっせんします。
令和8年度(2026年度)の日程
| 試験日程 | 2026年12月20日(日) フードスペシャリスト 9:30~10:50 専門 11:10~12:30 |
|---|---|
| 申込期間 | 在学生:在籍校経由 (締切は各校) 既卒者:9月1日 ~9月30日 就業者:7月1日 ~9月30日 |
| 正解発表 | 12月24日(木) 15時に協会の ホームページに掲載 |
| 合否通知 | 2027年1月下旬 |
| 認定申請 | 2027年 2月1日~15日 |
令和8年度の協会への直接の申込み(既卒者・就業者)は9月30日が締切でした。在学生の申込期限は学校ごとに決まり、協会は「通常、協会の受付期限よりも早めに締め切られます」と注意しています。令和8年度の実施要領は6月25日付で出されました。最新の日程は、協会のホームページで確かめましょう。
受験料・認定料
協会の資格規程と資格認定証の交付に関する規程による金額です(2026年10月3日時点、税込)。
| 受験料 | フードスペシャリスト 5,500円 専門(各区分) 3,300円 専門の就業者向け 11,000円 |
|---|---|
| 認定料 | フードスペシャリスト 5,500円 専門(各区分) 3,300円 就業者向けの合格者 5,500円 |
| その他 | 既卒者・就業者は 連絡通信費600円 在籍していない人の 認定証送付料600円 |
認定料は、合格後に資格認定証の交付を申請するときに払う交付手数料です。一度納めた受験料と連絡通信費は返されません。
合格率と難易度
協会がホームページで、資格ごとの受験者数・合格者数・合格率を発表しています。令和5〜7年度は次のとおりです。
| 令和7年度 | FS:92.2% (2,308人中2,128人) 食品開発:28.2% (451人中127人) 流通・サービス:46.7% (167人中78人) |
|---|---|
| 令和6年度 | FS:92.1% (2,586人中2,382人) 食品開発:22.5% (396人中89人) 流通・サービス:24.1% (170人中41人) |
| 令和5年度 | FS:85.0% (2,781人中2,364人) 食品開発:21.2% (386人中82人) 流通・サービス:30.6% (183人中56人) |
FSはフードスペシャリスト、食品開発・流通・サービスは専門フードスペシャリストの各区分です(日本フードスペシャリスト協会の発表)。


難易度はどのくらい?
フードスペシャリストの合格率は、令和5〜7年度で85.0%〜92.2%です。ただし受験できるのは、養成機関で必修科目を学んだ(または学んでいる)人です。専門フードスペシャリストは、同じ3年度で21.2%〜46.7%と、フードスペシャリストより大きく下がります。協会は勉強時間の目安を公表していません。
専門フードスペシャリストとの違い
専門フードスペシャリストは、フードスペシャリストの上位資格として平成26年度にできました。協会は、フードスペシャリストより専門性や実用性が高いと説明しています。区分は2つです。
- 食品開発:食品の新商品開発や品質管理、販売、流通などに役立つ知識や技術の資格。専門選択科目は食物学25問・調理学5問
- 食品流通・サービス:食商品の流通や販売、外食産業でのコーディネーションなどに役立つ知識や技術の資格。専門選択科目は調理学・食品の流通・消費・フードコーディネート論が各10問
共通科目30問はフードスペシャリストと同じ配分です。試験はフードスペシャリストと同じ日の11時10分から、フードスペシャリストの試験のあとに行われます。就業者向け試験では、食品開発か食品流通・サービスのどちらか1つを選びます。
勉強方法と過去問
出題範囲は協会指定のテキストです。協会の編集による教科書9冊が、建帛社から出版されています(2026年7月時点)。問題数が多いのは、官能評価・鑑別論と食物学(各9問)、食品の安全性(8問)です。
過去問はどこで手に入る?
協会は、試験後に正解番号を会報とホームページに載せています。解説は教科書をもとに各自で確かめるよう案内しており、協会編の『フードスペシャリスト資格認定試験 過去問題集』(建帛社)に簡単な解説があると案内しています。令和8年度の実施要領には、特にフードスペシャリストの試験は「過去の問題に類似した問題が出題される傾向があります」と書かれています。
合格したら:資格認定証の交付
合格したら、資格認定証の交付を申請し、認定料を納めます。申請の受付は毎年2月1日~15日と8月16日~31日の年2回で、2月申請分は3月31日付、8月申請分は9月30日付で発行されます。在学生は在籍校を通じて申請し、卒業式の日に授与されるのが令和8年度の流れです。
就職活動のために、合格して卒業見込みの在学生には「資格認定証交付見込証明書」も発行されます(発行手数料200円・郵送料600円。養成機関が取りまとめて申請)。
資格認定証をなくしたら?
協会は資格認定証の再発行をしていません。かわりに「資格取得証明書」を、手数料なしで発行しています。氏名・生年月日・卒業学校名・資格取得年月日・合格者番号・送付先住所を、メールか郵便で協会に知らせます。
よくある質問
Q. 社会人が独学や通信講座だけで受験できますか?
A. 養成機関で学んでいなければ、フードスペシャリストは受験できません。対象は養成機関の在学生・卒業生などです。専門フードスペシャリストには、食品関連企業の就業者向けの試験があります。
Q. 養成機関を卒業しましたが、在学中に受けていません。今から受けられますか?
A. 必修科目の単位をすべて修めて卒業していれば受けられます。協会が毎年6月ごろに既卒者向けの受験案内を載せます。
Q. 不合格でした。翌年また受けられますか?
A. 受けられます。卒業後なら既卒者として協会に直接申し込み、卒業した学校で受けるのが基本です。
Q. 試験はいつですか?
A. 毎年1回、原則12月の第3日曜日です。令和8年度は2026年12月20日(日)です。
Q. 合格発表はいつですか?
A. 令和8年度は、2027年1月下旬に合否が通知されます。正解番号は試験後の2026年12月24日に協会のホームページに載ります。
Q. 何点取れば合格ですか?
A. 合格点は公表されていません。各問2点の120点満点で、得点結果に従って協会の専門委員会が判定します。
Q. 専門フードスペシャリストだけ受けることはできますか?
A. 食品関連企業の就業者向け試験なら受けられます。それ以外の人は、フードスペシャリストの同時受験か合格が条件です。
Q. 費用は全部でいくらかかりますか?
A. 在学生がフードスペシャリストだけ取る場合、協会に納めるのは受験料5,500円と認定料5,500円の計11,000円(税込)です。既卒者は連絡通信費などが加わります。
公式情報
- フードスペシャリストになるには(日本フードスペシャリスト協会)
- 専門フードスペシャリストになるには(日本フードスペシャリスト協会)
- 食品関連企業にお勤めの方に(日本フードスペシャリスト協会)
- フードスペシャリストとは(日本フードスペシャリスト協会)
- 規程集(資格規程・資格認定証の交付に関する規程。日本フードスペシャリスト協会)
- 養成機関一覧(日本フードスペシャリスト協会)
- よくある質問(日本フードスペシャリスト協会)
この記事は、日本フードスペシャリスト協会とは関係なく独自にまとめたものです。試験日・受験料・申込方法は、必ず協会の公式ページで確認してください。
まとめ
- フードスペシャリストは、協会が認定した養成機関で必修8科目を修め、12月の資格認定試験に合格して取る
- 養成機関を卒業していない社会人は、独学では受験できない。卒業生は既卒者として受験できる
- 専門フードスペシャリスト(食品開発/食品流通・サービス)は上位資格で、食品関連企業の就業者向け試験もある
- 合格率(令和7年度)はフードスペシャリスト92.2%、専門は28.2%・46.7%。合格点は公表されていない
- 試験は原則12月の第3日曜日。令和8年度は2026年12月20日(協会への直接の申込みは9月30日締切)



認定校を出ていない僕は、専門の就業者向け試験を目指すのが近道ですね。



近道かは人による。職種と勤務年数の条件を、次の年度の案内で確かめてからだ。



食の資格って、ほかにもたくさんあるんですね。いろいろ比べてみたいです。



資格の一覧や調理師の記事があるから、続けて読んで自分に合うものを探せ。
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