新人 けんた先輩、Qグレーダーって、コーヒーの味を当てるすごい資格なんですよね?



味当てだけではない。品質を評価して、共通の言葉で伝える力を示すライセンスだ。



CQIという団体の資格だと聞きました。今も同じ団体が出しているんですか?



2025年10月からはSCAの運営だ。評価もCVAという新しい方法に変わったぞ。
Qグレーダー(Q Grader)の発行元・取り方・6日間のコースと9つの試験・費用・有効期間と更新を、Specialty Coffee Association(SCA)の公式情報(英語の一次情報)と、日本で講座を開く機関の公式ページだけで整理します。
この記事の要点
- コーヒーの品質を評価するプロ向けの、海外団体のライセンス。2025年10月1日からSCAが運営し、CQIは運営から外れた
- 6日間連続のコースで、実技8つと筆記1つの計9つの試験を受け、すべて合格するとライセンス。合格率は公表されていない
- 受講の年数条件などの明文はないが、カッピングや官能評価の経験がある人向け。費用は申込み先で確認(日本の一例:297,000円・税込、2026年10月時点)
- 有効期間は3年。3年ごとに継続的な専門能力開発で更新し、6日間のコースの受け直しは不要
※2026年10月3日時点の公式情報にもとづきます。
Qグレーダーとは?
Qグレーダーは、コーヒーの品質を評価し、記述し、ほかの人に伝える力を示すライセンスです。評価の物差しには、SCAの「CVA(Coffee Value Assessment)」を使います。CVAは2023年に導入された評価方法で、味や香りだけでなく、生豆の状態や産地の特徴なども含めてコーヒーを評価します。
発行するのは、アメリカに本部を置くSpecialty Coffee Association(SCA)です。国家資格ではなく、海外の団体が出す民間のライセンスです。
以前のCQIの制度との違い
Qグレーダーは、以前はCoffee Quality Institute(CQI)が運営していました。SCAの発表によると、2025年10月1日からはSCAがCVAにもとづく新しいQグレーダー制度を運営し、CQIは運営に関わらなくなりました。
以前の制度では、合格者は「Q Arabica Grader」などの証明を受け、3年ごとに対面の「キャリブレーション(較正)コース」を受けて資格を保っていました。2025年10月からの制度では、SCAは更新を「継続的な専門能力開発」と説明しています(後で説明します)。古い制度の説明と混同しないよう注意しましょう。
取るまでの流れ
カッピングや官能評価の経験を積む → SCAの講座を開く機関に申し込む → 6日間のコースで9つの試験にすべて合格する → 3年ごとに更新する、の順です。


どんな人に向いている?
SCAは、品質管理・調達・焙煎の仕事をするコーヒーの専門家や、カッピング・官能評価の経験がある人を対象にしています。コーヒーを学び始めたばかりの人には、先にSCAの「Sensory Skills」や「Introduction to Coffee」の講座で基礎を作ることを勧めています。
SCAが挙げる仕事の例は、品質の分析、輸出入、生豆の買い付け、官能評価の専門職、焙煎や品質の責任者などです。講座を教える「Qインストラクター」には、さらに別の認定が必要です。
資格の基本情報
| 名称 | Q Grader (Qグレーダー) |
|---|---|
| 資格区分 | 海外団体の ライセンス(民間) |
| 発行団体 | Specialty Coffee Association(SCA) ※2025年9月までは CQIが運営 |
| 受講資格 | 年数などの明文なし (カッピング・ 官能評価の経験者向け) |
| 講座期間 | 6日間連続 |
| 試験内容 | 実技8つ 筆記1つ |
| 合格基準 | 9つの試験に すべて合格 |
| 受講料 | 申込み先で確認 (日本の一例: 297,000円・税込 2026年10月時点) |
| 合格率 | 公表なし |
| 有効期間 | 3年 (継続的な学びで更新) |
| 公式情報 | Q Grader (SCA・英語) |
受講の条件
SCAの公式ページに、「〇年以上の経験」のような受講条件の明文はありません。ただし、SCAは「カッピングと官能評価の経験があり、CVAに慣れていて、高い官能の力がある人」なら受ける準備ができているかもしれない、と案内しています。
日本で講座を開くUCCコーヒーアカデミーも、前提条件は「特にありません」としたうえで、CVA・カッピングと官能評価・生豆評価の事前経験を強く推奨しています。コースの登録時には、CVAの実務経験(評価表の使い方を含む)と、高いレベルの官能の力があることを求めています。
コースと試験の内容・合格の条件
コースは6日間連続で、官能評価・カッピング・生豆の格付けとCVAを扱います。その中で、次の9つの試験(実技8つ・筆記1つ)を受けます。
- カッピングスキル:カッピング中の作法・ふるまいを見る
- 物理評価:CVAの物理評価(生豆の格付け=グリーングレーディング)を正確に行えるか
- 焙煎の問題:カッピング用の正しい焙煎を、香りと味だけで見分けられるか
- 記述的評価・感情的評価:CVAの記述的評価(Descriptive)・感情的評価(Affective)の実技
- 香りのカテゴリー(Olfactory Category Examples)・トライアンギュレーション(Triangulation)・基本の味の溶液(Main Taste Solutions)の実技
- 筆記試験:主にCVA。カッピングの手順(準備を含む)も詳しく出る
ライセンスを取るには、9つの試験すべてに合格する必要があります。コース中は、各試験を2回まで受けられます。さらにSCAは、2026年からはコースの後に、実技試験ごとに3回目を受けられると案内しています。
各試験の合格点や採点の方法、筆記試験の問題数は、SCAの公式ページでは確認できませんでした。日本の例では、UCCコーヒーアカデミーが、不合格の科目が残った人向けの追試(リテイク)を、コースの開催に合わせて行うと案内しています。



6日間のコースに出れば、最後には誰でもライセンスがもらえるんですね!



そうとは限らない。実技8つと筆記1つ、すべてに合格して初めて取れるんだ。



1つでも落ちたら、また6日間のコースを最初から全部受け直しですか……?



コース中は各試験2回まで受けられる。2026年からは、後で実技の3回目もあるぞ。
日程・費用
全国一斉の試験日は、公式情報では示されていません。コースは講座を開く機関ごとに日程が組まれ、SCAの講座検索ページ(英語)で探せます。日本で開く機関の一覧や数は、公式情報では確認できませんでした。
日本の一例として、UCCコーヒーアカデミーは、2026年4月から「SCA認定 Q グレーダー プログラム」を始めると案内しました。費用は297,000円(税込・SCA登録料と教材を含む)、講師は同アカデミーのQインストラクターです(2026年10月3日確認)。追試の費用は、公式ページでは確認できませんでした。
ほかの機関で受ける場合は、費用・日程・使う言語を、申込み先の公式ページで確かめてください。
難易度・合格率
SCAは、Qグレーダーの合格率や受講者数を公表していません。そのため、この記事では合格率の数字を載せません。
難しさの目安になるのは、SCA自身の案内です。カッピングや官能評価の経験者向けのコースで、9つの試験すべての合格が条件です。経験の浅い人には、先に基礎の講座を勧めています。勉強時間の目安は、公式情報では示されていません。
勉強方法
SCAは「How to Prepare for the Q Grader Course」(英語)で、試験ごとの準備のしかたを案内しています。主なものは次のとおりです。
- 筆記:CVAのプロトコル(手順書)と、SCAの規格SCA-102・103・104を読む。CVAの解説動画シリーズ(YouTube)もある
- 評価表:CVAの評価表をダウンロードし、職場のコーヒーで物理・記述・感情・外的の評価を試してみる
- カッピング:初めての人は入門のカッピング講座や、地域の公開カッピングに参加する
- 経験のあるカッパー向けには、SCAの「CVA for Cuppers」講座がある
過去問の公開は、公式情報では確認できませんでした。SCAの案内や資料は英語のページです。
有効期間と更新
ライセンスの有効期間は3年です。3年ごとに、継続的な専門能力開発(continued professional development)を通じて更新します。SCAは、更新のために6日間のコースを受け直す必要はないと案内しています。
更新に必要な学びの具体的な中身(時間・講座・費用)は、公式ページでは確認できませんでした。以前のCQIの制度にあった「3年ごとのキャリブレーション」が新しい制度でも条件かどうかも、確認できませんでした。取得した人は、SCAからの案内を確かめてください。
よくある質問
Q. Qグレーダーは国家資格ですか?
A. いいえ。アメリカに本部を置くSpecialty Coffee Association(SCA)が発行する民間のライセンスです。
Q. 今もCQIが認定しているのですか?
A. いいえ。2025年10月1日からはSCAが運営し、CQIは運営に関わっていません。
Q. 未経験でも受けられますか?
A. 年数などの条件の明文はありませんが、経験者向けのコースです。SCAは、経験の浅い人に先に基礎の講座を勧めています。
Q. 一度取れば、ずっと有効ですか?
A. いいえ。有効期間は3年で、継続的な専門能力開発を通じて更新します。
Q. 以前の「Q Arabica Grader」を持っている人はどうなりますか?
A. SCAは、旧資格の保有者などが2025年12月31日までに「CVA for Cuppers」講座を修了すれば、新しいライセンスに早く移れると発表していました。期限後の扱いは公式情報で確認できなかったため、SCAに確認してください。
公式情報
- Q Grader(Specialty Coffee Association・英語)
- How to Prepare for the Q Grader Course(SCA・英語)
- SCAとCQIの提携の発表(SCA・英語)
- Q Grader Courseの講座検索(SCA・英語)
- SCA認定 Q グレーダー プログラム(UCCコーヒーアカデミー)
この記事は、Specialty Coffee Association(SCA)・講座を開く機関とは関係なく独自にまとめたものです。費用・日程・更新の条件は、必ずSCAと申込み先の公式ページで確認してください。
まとめ
- コーヒーの品質を評価するプロ向けのライセンス。2025年10月からSCAが運営(CQIは運営から外れた)
- 6日間連続のコースで、実技8つ・筆記1つの9つの試験にすべて合格すると取得
- 受講条件の明文はないが、カッピング・官能評価の経験者向け
- 費用・日程は講座を開く機関で確認(日本の一例:297,000円・税込)。合格率は公表なし
- 有効期間は3年。継続的な専門能力開発で更新し、コースの受け直しは不要



一度取ってしまえば、ずっとQグレーダーを名乗り続けられるんですよね?



有効期間は3年だ。学び続けて更新する。ただ、6日間の受け直しは要らないぞ。



コーヒーのほかに、お茶やほかの飲み物の資格もちょっと気になってきました。



日本茶インストラクターやソムリエの記事、資格の一覧があるから読んでみてくれ。
次に読む記事














