新人 けんた先輩、菓子製造技能士って、ケーキ屋や和菓子屋で働くなら取るべき資格なんですか?



菓子づくりの腕を国が1級・2級で証明する技能検定だ。合格すると技能士と名乗れる。



製菓衛生師とは違うんですか?名前が似ていて、どっちを取ればいいか迷います。



製菓衛生師は筆記の試験、技能検定は実技もある。国と協会の一次情報で整理しよう。
菓子製造技能士(技能検定「菓子製造」)の受検資格(受験資格)・試験内容・試験日・受検料・合格率を、法令と厚生労働省・中央職業能力開発協会・都道府県の公式情報(一次情報)だけで整理します。
この記事の要点
- 洋菓子製造作業か和菓子製造作業を選び、実技(実際に菓子をつくる)と学科の両方に合格すると「菓子製造技能士」(1級・2級)と名乗れる
- 受検には原則として実務経験が必要(実務経験だけなら1級7年・2級2年。関係する学校を卒業すると短くなる)
- 令和8年度は後期だけの実施で、申込みは10月5日〜16日、学科試験は令和9年2月7日。実施しない都道府県・作業がある
- 受検申請者に対する合格者の割合は、令和7年度61.5%(厚生労働省の統計から当サイトが計算)
※2026年10月3日時点の公式情報にもとづきます。
菓子製造技能士とは?
職業能力開発促進法にもとづく「技能検定」の1つで、菓子をつくる技能を国が証明する国家検定です。職種は「菓子製造」、作業は「洋菓子製造作業」と「和菓子製造作業」の2つ。等級は1級と2級だけで、特級・3級はありません(同法施行規則 別表第十一の四)。
技能検定に合格した人は「技能士」と名乗れます。合格していない人は技能士という名称を使えない、名称独占のしくみです(同法第50条)。等級の目安は、1級が「上級の技能労働者」、2級が「中級の技能労働者」が通常持つべき技能の程度です(中央職業能力開発協会)。
菓子製造技能士になるまでの流れ
試験は都道府県が実施する職種です。試験問題は中央職業能力開発協会がつくり、受検申請の受付や試験の実施は各都道府県職業能力開発協会が行います。中央職業能力開発協会は、受付・試験・合格発表を行っていません。
- 実務経験や学歴で、受けられる等級を確かめる
- 受検する都道府県の職業能力開発協会に申し込む(令和8年度は10月)
- 実技試験(12月〜2月)と学科試験(2月)を受ける
- 両方に合格すると合格証書が届き、技能士と名乗れる


どんな人に向いている?
洋菓子店・和菓子店・製菓工場などで菓子づくりの経験を積み、自分の技能を等級という形で示したい人です。受検には原則として実務経験が要るので、働きながら受ける資格といえます。
資格の基本情報
| 名称 | 菓子製造技能士 (技能検定 「菓子製造」職種) |
|---|---|
| 資格区分 | 国家検定 (技能検定・名称独占) |
| 根拠法令 | 職業能力開発促進法 |
| 実施機関 | 問題作成:中央職業 能力開発協会 受付・実施:都道府県 職業能力開発協会 |
| 作業等級 | 洋菓子製造作業 和菓子製造作業 (それぞれ1級・2級) |
| 受検資格 | 原則として実務経験 (1級7年・2級2年 学歴などで短縮) |
| 試験日程 | 令和8年度は後期 実技:12月4日〜 翌年2月14日 学科:令和9年2月7日 |
| 申込期間 | 令和8年10月5日〜 10月16日 |
| 受検料 | 実技18,200円 +学科3,100円 (国の標準。都道府県 で異なる場合あり) |
| 合格率 | 61.5% (令和7年度・受検申請 者に対する割合 ・当サイト計算) |
| 試験内容 | 実技:菓子の製作 学科:50題 ・1時間40分 |
| 合格基準 | 実技60点以上 学科65点以上 (100点満点・原則) |
| 公式情報 | 技能検定のご案内 (中央職業能力 開発協会) |
受検資格(受験資格)
技能検定を受けるには、原則として、その職種の実務経験が等級に応じて必要です。年数は学歴や職業訓練歴で変わります(職業能力開発促進法施行規則第64条の2・第64条の3、厚生労働省「受検資格(都道府県知事の実施する職種)」)。菓子製造に関係するおもな条件は次のとおりです。
- 実務経験だけの場合:1級は7年、2級は2年
- 2級に合格したあと:1級は実務経験2年
- 専門高校を卒業:1級は6年、2級は0年
- 短大・高専・高校専攻科を卒業:1級は5年、2級は0年
- 大学を卒業:1級は4年、2級は0年
- 専修学校・各種学校(厚生労働大臣が指定したもの)を卒業:1級は学んだ時間で4〜6年(800時間以上で6年、1600時間以上で5年、3200時間以上で4年)、2級は0年
学歴による短縮が使えるのは、菓子製造に関係する学科・訓練科を卒業・修了した場合に限られます(中央職業能力開発協会の受検案内)。専修学校・各種学校は、学校の種類や厚生労働大臣の指定の有無でも扱いが変わります。製菓の学校を出た人も、自分の学科が当てはまるかを、受検する都道府県の職業能力開発協会で確かめましょう。
実務経験に含まれるもの
現場での作業だけでなく、管理・監督・訓練・教育・研究の業務や、入社後に訓練・教育を受けた期間も含まれます(厚生労働省)。



先輩、製菓の専門学校を卒業したら、いきなり1級から受けられるんですか?



学科が当てはまれば、2級は実務なしで受けられる。1級は4〜6年の実務が要るぞ。



じゃあ、働きながらまず2級を取って、そのあと1級を目指すのがよさそうですね。



2級合格後なら1級は実務2年で受けられる。数え方は受検する協会で確かめろよ。
試験の内容と合格基準
技能検定は、実技試験と学科試験で行います(職業能力開発促進法第44条)。菓子製造では、洋菓子と和菓子のどちらか1つを選んで受けます(厚生労働省の試験基準)。
学科試験:50題・1時間40分
1級・2級とも、正しいか誤りかを答える問題(真偽法)と4つの選択肢から選ぶ問題(四肢択一法)が25問ずつ、計50題です。試験時間は1時間40分(中央職業能力開発協会)。科目は次のとおりです。
- 食品一般:栄養と食品衛生の基礎(栄養素、食中毒、食品の腐敗など)
- 菓子一般:菓子の種類
- 関係法規:食品衛生法と計量法のうち、菓子製造に関係する部分
- 安全衛生:機械・工具の扱い方、作業手順、労働安全衛生法など
- 選択科目:洋菓子製造法か和菓子製造法(材料、生地の調整、成形・熱加工・仕上げの方法など)
科目名は1級と2級で同じですが、たとえば菓子の種類は1級が「詳細な知識」、2級が「概略の知識」と、求められる深さが違います。科目ごとの出題割合は、公式情報では示されていません。
実技試験:実際に菓子をつくる(令和8年度後期の課題)
実技は、時間内に実際に菓子をつくる「製作等作業試験」です(同法施行規則)。課題の概要は、中央職業能力開発協会が試験の前に公表しています。令和8年度後期の概要は次のとおりです。
- 洋菓子1級:2種類のボンボンショコラ(トリュフ、モンブラン)の製造、デコレーションケーキの仕上げ
- 洋菓子2級:ビスキュイ ア ラ キュイエールを3つの形状に絞る、アングレーズ式バタークリームを5つの形状に絞る、デコレーションケーキの仕上げ
- 和菓子1級:織部模様の薯蕷饅頭5個、練り切り製品(はさみ菊)1個、羊かんの紋様埋め込み・餡すり込み加工と扇形羊かんの包丁加工仕上げ
- 和菓子2級:小麦饅頭5個、練り切り製品(斜めへら返し切り菊)4個、どら焼きの皮10枚


試験には標準時間と打切り時間があります。標準時間は、洋菓子1級3時間30分・2級2時間15分、和菓子1級3時間・2級1時間30分です。打切り時間は、それぞれ15〜30分あとに設定されています。課題は年度ごとに変わるので、受ける年度の概要を必ず確かめましょう。
合格基準:実技60点・学科65点
100点満点で、原則として実技試験は60点以上、学科試験は65点以上です(厚生労働省が定める基準。中央職業能力開発協会の案内)。技能士になるには、両方の試験に合格する必要があります。
片方だけ合格した人は、次回以降、不合格だった試験だけを受けて合格すれば技能士になれます(中央職業能力開発協会の受検案内)。



実技はケーキや饅頭を本当につくるんですね。課題は当日まで分からないんですか?



課題の概要は事前に公表される。令和8年度後期の洋菓子1級はボンボンショコラだ。



学科は65点、実技は60点。両方そろわないと技能士にはなれないんですね。



そうだ。ただ片方だけ受かれば、次回からは落ちたほうだけ受ければいいんだ。
試験日・申込期間
技能検定は前期と後期に分けて行われます。菓子製造は、令和8年度は後期だけの実施です(前期の実施職種一覧にはありません)。学科試験は全国で同じ日、実技試験は期間内で都道府県の協会が指定する日に行われます。
令和8年度(後期)の日程
| 実施公示 | 令和8年9月1日 |
|---|---|
| 申込期間 | 令和8年10月5日(月) 〜10月16日(金) |
| 実技試験 | 令和8年12月4日(金) 〜令和9年2月14日(日) のうち協会が指定する日 |
| 学科試験 | 令和9年2月7日(日) 13時15分開始 (全国統一) |
| 合格発表 | 令和9年3月12日(金) |
出典は中央職業能力開発協会の「技能検定試験の日程」と統一実施日程表です。申込期間を過ぎた回には申し込めません。受付の方法は都道府県で違い、たとえば東京都は郵送(簡易書留・必着)だけで受け付けています(東京都の公告)。
実施する都道府県(令和8年度後期)
技能検定は、都道府県によって実施しない職種・作業があります。中央職業能力開発協会の調べ(令和8年9月1日現在)では、菓子製造の実施予定は次のとおりです。
- 洋菓子製造作業(28都道府県):北海道・青森・宮城・茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・新潟・静岡・愛知・滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・岡山・広島・徳島・香川・愛媛・高知・福岡・熊本・沖縄(島根は学科のみ)
- 和菓子製造作業(25都道府県):北海道・青森・栃木・群馬・千葉・東京・新潟・石川・福井・静岡・愛知・滋賀・京都・大阪・兵庫・和歌山・岡山・広島・徳島・愛媛・高知・福岡・熊本・大分・沖縄(長野・島根は学科のみ)
「学科のみ」は、学科試験だけを実施するという意味です。申し込む前に、受検する都道府県の職業能力開発協会のページで最新の情報を確かめましょう。
受検料(受検手数料)
受検手数料は、都道府県ごとに定められています。国の標準の金額は、令和元年度から実技試験18,200円、学科試験3,100円です(中央職業能力開発協会)。両方を受ける人は合計21,300円が目安です。
若い人向けの減額は、都道府県で扱いが違います。
- 東京都(令和8年度後期):実技は1級18,200円、2級18,200円(35歳未満は9,200円)。学科は3,100円
- 中央職業能力開発協会の受検案内:23歳未満の減額は「ものづくり分野の3級の実技」が対象。菓子製造には3級がありません
東京都は、納めた手数料を申請の取消しや欠席でも原則として返さないとしています。ほかの道府県の金額は、それぞれの公示や協会の案内で確認してください。
合格率と難易度
厚生労働省は毎年、職種ごとの受検申請者数と合格者数を公表しています。菓子製造の合格率そのものは示されていないため、厚生労働省が全体の合格率を出すときと同じく「合格者数÷受検申請者数」で当サイトが計算しました(令和7年度分は令和8年8月17日の公表資料)。
| 令和7年度 (2025年度) | 61.5% 申請者 247人 合格者 152人 |
|---|---|
| 令和6年度 (2024年度) | 50.2% 申請者 273人 合格者 137人 |
| 令和5年度 (2023年度) | 53.1% 申請者 277人 合格者 147人 |


この数字は、洋菓子と和菓子、1級と2級をすべて合わせたものです。作業別・等級別の合格率は公表されていません。また、受検申請者数には、学科か実技の片方だけを受ける人も含まれます。
難易度はどのくらい?
令和5〜7年度は、受検申請者のおよそ5〜6割が合格しています。ただし受検には原則として実務経験が必要なので、菓子づくりの経験を積んだ人の中での数字だという点に注意しましょう。実技は決められた時間内に課題を仕上げる必要があり、学科も65点以上が必要です。公式の勉強時間の目安はありません。
勉強方法と過去問
学科は、厚生労働省の試験基準(試験科目及びその範囲並びにその細目)が出題範囲です。実技は、公表された課題の概要をもとに、標準時間内に仕上げる練習をしておきましょう。
独学で合格できる?
受検資格は実務経験や学歴で決まり、学校や講習を受けることは条件になっていません。職場で菓子づくりを続けている人が、試験基準と過去問で学科を固め、課題の練習をして受ける形もできます。
過去問はどこで手に入る?
中央職業能力開発協会の「技能検定試験問題公開サイト」で、令和5〜7年度の定期試験の問題を見られます(令和7年度後期には菓子製造の洋菓子・和菓子が掲載)。閲覧のみで、複製や二次使用は禁止されています。学科試験の正解は、同協会の「計画立案等作業試験・学科試験正解」のページに、原則として試験日の翌日15時以降に掲載されます(配点は非公表)。
製菓衛生師との違い
どちらもお菓子の国家資格・国家検定ですが、根拠の法律も試験の形も違います。
- 製菓衛生師:製菓衛生師法にもとづく都道府県知事の免許。試験は衛生法規・公衆衛生学・食品学・食品衛生学・栄養学・製菓理論及び実技の6科目の筆記(東京都は4肢択一の60問)。受験資格は養成施設で1年以上学ぶか、菓子製造業で2年以上働くこと
- 菓子製造技能士:職業能力開発促進法にもとづく技能検定。実際に菓子をつくる実技と学科の両方がある。受検資格は原則として実務経験(1級7年・2級2年)
2つはつながっています。製菓衛生師試験基準(厚生労働省告示)では、菓子製造の1級か2級の技能検定に合格した人は、製菓衛生師試験の「製菓理論及び実技」を免除できるとされています。


合格したら:合格証書と技能士の名乗り方
合格者には合格証書が交付されます(職業能力開発促進法第49条)。1級は厚生労働大臣名、2級は都道府県知事名の合格証書です(中央職業能力開発協会)。
技能士と名乗るときは、合格した職種と等級を示し、合格していない職種や等級を示してはいけません(同法第50条)。技能士でない人が技能士と名乗ると、30万円以下の罰金の対象です(同法第102条)。
合格証書をなくしたときは、都道府県の技能検定の担当部署で再交付を受けられます(手数料2,000円程度。中央職業能力開発協会の受検案内)。
よくある質問
Q. 菓子製造技能士に3級はありますか?
A. ありません。菓子製造の技能検定は1級と2級だけです(職業能力開発促進法施行規則)。
Q. 学歴がなくても受けられますか?
A. 受けられます。実務経験だけなら、1級は7年、2級は2年で受検できます。
Q. 住んでいる県で菓子製造の試験がありません。
A. 受検申請書は、受検を希望する都道府県の職業能力開発協会から取り寄せて申請します。実施している都道府県の協会に相談しましょう。
Q. 受検料はいくらですか?
A. 国の標準は実技18,200円と学科3,100円です。東京都は2級の実技に35歳未満の減額(9,200円)があります。
Q. 合格発表はいつですか?
A. 令和8年度後期は、令和9年3月12日(金)です。
Q. 学科だけ合格しました。次はどうなりますか?
A. 次回以降は、不合格だった実技試験だけを受けて合格すれば技能士になれます。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. 受検申請者に対する合格者の割合は、令和7年度61.5%・令和6年度50.2%・令和5年度53.1%です(厚生労働省の統計から当サイトが計算)。
Q. 菓子製造技能士になると、製菓衛生師の試験が免除されますか?
A. 全部ではありません。免除できるのは「製菓理論及び実技」の科目です(製菓衛生師試験基準)。
公式情報
- 職業能力開発促進法(e-Gov法令検索)
- 職業能力開発促進法施行規則(e-Gov法令検索)
- 受検資格(都道府県知事の実施する職種)(厚生労働省)
- 菓子製造技能検定試験の試験科目及びその範囲並びにその細目(厚生労働省)
- 技能検定のご案内(中央職業能力開発協会)
- 実施職種・試験概要(中央職業能力開発協会)
- 技能検定試験の日程(中央職業能力開発協会)
- 各都道府県の実施公示状況(中央職業能力開発協会)
- 技能検定試験問題公開サイト(中央職業能力開発協会)
- 令和8年度技能検定後期実施について(東京都・TOKYOはたらくネット)
- 「技能検定」の実施状況(厚生労働省・技のとびら)
- 製菓衛生師試験基準(厚生労働省)
この記事は、厚生労働省・中央職業能力開発協会・都道府県とは関係なく独自にまとめたものです。試験日・受検料・実施する作業は、必ず受検する都道府県の職業能力開発協会で確認してください。
まとめ
- 菓子製造技能士は、職業能力開発促進法にもとづく技能検定(国家検定)。洋菓子か和菓子を選び、1級・2級がある
- 受検には原則として実務経験が必要(1級7年・2級2年。関係する学校の卒業で短縮)
- 実技(菓子の製作)60点以上と学科65点以上の両方で合格
- 令和8年度は後期だけ。申込みは10月5日〜16日、学科は令和9年2月7日。実施しない都道府県・作業がある
- 1級・2級に合格すると、製菓衛生師試験の「製菓理論及び実技」を免除できる



実技も学科もあって、思っていたよりずっと本格的な国家検定なんですね。



しかも実施しない県や作業がある。申し込む前に、受ける県の公示を確かめろ。



製菓衛生師の試験を受けるときに、科目の免除が使えるのもうれしいです。



免除できるのは製菓理論及び実技の科目だけだ。一覧と製菓衛生師の記事も読んでくれ。
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