新人 けんた先輩、海外のワインも勉強したくて。WSETっていう英国の資格が気になってます。



Level 1〜3の上にDiplomaがある。講座と試験はWSETが承認した学校で受ける。



いきなりLevel 3から受けてもいいんですか?英語にも自信がなくて……。



Level 3はLevel 2相当が「推奨」で必須ではない。言語も公式情報で確かめよう。
WSETのワイン資格(Level 1〜3のAward in Winesと、Level 4 Diploma in Wines)の受講資格・学習時間・試験形式・合格基準・成績の区分を、WSET本部が公開している英語の講座ページと資格の仕様書(Specification)だけで整理します。
この記事の要点
- 英国の酒類教育団体WSETのワイン資格。講座と試験は、WSETが承認した世界の講座提供者(APP)が行う
- Level 1〜3に前提資格はない(Level 3はLevel 2相当を推奨)。DiplomaだけはLevel 3の資格が必須
- 合格ラインはLevel 1が70%、Level 2が55%。Level 3は理論の選択式・記述式とテイスティングのそれぞれで55%が必要
- 受講料・日程・受講言語は提供校ごとに違う。WSETは合格率を公表していない(当サイトで確認できた範囲)
※2026年10月3日時点の公式情報にもとづきます。
WSETのワイン資格とは?
WSET(Wine & Spirit Education Trust)は、ロンドンに登録事務所を置く英国の登録チャリティ(No.313766)です。ワイン・スピリッツ・日本酒・ビールの資格を作っており、ワインはLevel 1〜3の「Award in Wines」と、その上の「Level 4 Diploma in Wines」があります。
WSETは自らを、資格を作り試験の品質を管理する「awarding organisation(試験機関)」と説明しています。講座と試験を行うのは、WSETが承認した講座提供者(Approved Programme Providers=APP)です。WSETによれば、APPは70か国以上に800以上あり、多くは一般の人も受講できます。
WSETによると、Level 1〜3のワイン資格は、イングランドの資格・試験の監督機関Ofqualの規制を受けています。一方でWSETは、自らの資格が英国以外の公的な資格の枠組みには入らないこと、就職や昇進を保証するものではないことも明記しています。日本の国家資格ではありません。
4つのレベルと取るまでの流れ
- Level 1:ワインを初めて学ぶ人向けの入門。主なタイプとスタイル、保管とサービス、料理との相性
- Level 2:初級〜中級。主要8品種と世界の産地、スパークリング・酒精強化ワイン、ラベルの用語
- Level 3:上級。ブドウ栽培・醸造がワインのスタイルと品質にどう影響するかを説明できる力と、テイスティング
- Level 4 Diploma:専門家レベル。6つのユニットで、生産・ビジネス・世界のワインを学ぶ
Level 1〜3は、下のレベルを持っていなくても申し込めます。どのレベルも、提供校を探して講座を受け、その提供校で試験を受ける流れです。


どんな人に向いている?
WSETはLevel 1を「ワインを初めて学ぶ人」、Level 2を「幅広いワインを学びたい初心者やLevel 1の次に進む人」、Level 3を「ワイン業界で働くプロと愛好家」向けとしています。学ぶ範囲はWSETが作る仕様書(英語)で決まっています。世界のワインを、品種・産地・造り方から順を追って学びたい人に向いているでしょう。
資格の基本情報
| 名称 | WSET Award in Wines (Level 1〜3) WSET Level 4 Diploma in Wines |
|---|---|
| 資格区分 | 英国の団体の資格 (日本の国家資格 ではない) |
| 実施団体 | WSET(英国) 講座・試験は 承認された提供校 |
| 受講資格 | Level 1〜3:なし (Level 3はLevel 2 相当を推奨) Diploma:Level 3 の資格が必須 |
| 試験日程 | 提供校ごと (Diplomaの一部は 年の決まった月) |
| 受講料 | 提供校ごと (WSETの統一 料金はない) |
| 合格率 | 公表なし |
| 試験内容 | Level 1・2:選択式 Level 3:選択式 ・記述式・試飲 Diploma:記述式 ・試飲・研究課題 |
| 合格基準 | Level 1:70% Level 2:55% Level 3:各試験55% Diploma:各ユニット 55%(一部は条件あり) |
| 学習時間 | 最低 Level 1 6時間 Level 2 28時間 Level 3 84時間 Diploma 500時間 |
| 公式情報 | Where to study (WSET・英語) |
受講資格(レベルごとの条件)
- Level 1・Level 2:条件なし。お酒の知識や経験も問わない
- Level 3:Level 2を持っているか、同じくらいの知識があることを「推奨」。必須ではない
- Level 4 Diploma:Level 3 Award in Wines(またはLevel 3 Award in Wines and Spirits)を持っていることが必須
Level 2を飛ばしてLevel 3を受けたい人は、申し込む前に講師に相談するよう、Level 3の仕様書が案内しています。各レベルの講座ページには、条件は提供校によって違うことがあるとも書かれています。
20歳未満は受けられる?
試飲できるのは、講座を受ける国の飲酒年齢以上の人です。日本では20歳未満の飲酒が法律で禁じられているので、20歳未満の人は試飲できません。
- Level 1・2:試飲しなくても資格は取れる。ただし20歳未満の人が試験を受けるには、認められたフルタイムの課程で学んでいるか、保護者の同意が必要(仕様書)
- Level 3:試飲しない人はテイスティングの試験(Unit 2)を受けられない。理論(Unit 1)に合格すれば記録はもらえるが、Level 3の資格にはならない
- Diploma:試飲のあるユニット(D3・D4・D5)を修了できないため、Diplomaは取れない
英語ができないと受けられない?
WSETの講座ページの言語欄では、Level 1・2・3のいずれにも日本語があります(2026年10月3日時点)。WSETの日本語ページには、日本語でコースを行う提供校の一覧があり、コースや日程は各校に直接問い合わせるよう案内しています。なお英語で受ける場合、英語が母語でない人には、Level 2はIELTS 6以上、Level 3は6.5以上か同じくらいの英語力を強く勧めています(各仕様書)。
Diplomaのページには言語欄がなく、英語が母語でない人にはIELTS 6.5以上か同じくらいの英語力を強く勧めています。Diplomaを日本語で受けられるかは、公式ページでは確認できませんでした。希望する提供校に確かめてください。



じゃあDiplomaも、勉強さえすれば誰でもすぐ申し込めるんですね!



いや、DiplomaだけはLevel 3の資格が必須だ。ほかのレベルとは条件が違う。



後輩はまだ19歳なんです。テイスティングのある講座は受けられないんですか?



20歳まで試飲はできない。Level 1・2は条件付きで取れるが、Level 3は取れない。
試験の内容と合格基準
Level 1〜3の筆記試験は、テキストやメモを見られない「クローズドブック」です。選択式は1問1点で、間違えても減点されません。
Level 1:選択式30問・合格は70%
選択式30問を45分で解きます。70%以上で合格、69%以下は不合格で、成績の区分は合否だけです(仕様書 Issue 1.2)。
Level 2:選択式50問・合格は55%
選択式50問を60分で解きます。成績は次の5つに分かれます(仕様書 Issue 2.1)。
| 85%以上 | Pass with distinction (優秀な成績で合格) |
|---|---|
| 70〜84% | Pass with merit (良い成績で合格) |
| 55〜69% | Pass(合格) |
| 45〜54% | Fail(不合格) |
| 44%以下 | Fail unclassified (不合格・区分外) |
Level 2の講座ページには、仕様書 Issue 2.1が載っています(2026年10月3日時点)。WSETは、受講する講座がどの版で行われているかを提供校に確かめるよう求めています。
Level 3:理論とテイスティングの2つのユニット
- Unit 1(理論):選択式50問と、記述式4問(各25点)を合わせて2時間。選択式・記述式のそれぞれで55%以上が必要
- Unit 2(テイスティング):2種類のワインのブラインドテイスティングを30分。55%以上が必要
2つのユニットは、同じ回に同じ言語で受けます。両方に合格して、はじめてLevel 3の資格になります。成績は、すべての試験の合計点で決まります(仕様書 Issue 2)。
| 80%以上 | Pass with distinction (どの試験も65%以上 のときだけ) |
|---|---|
| 65〜79% | Pass with merit |
| 55〜64% | Pass(合格) |
| 45〜54% | Fail(不合格) |
| 44%以下 | Fail unclassified |
片方のユニットだけ不合格だった人は、そのユニットだけを受け直せます。ただし受け直した人の成績は、Pass with meritが上限になります。
Level 4 Diploma:6つのユニットすべてに合格
- D1 ワイン生産:記述式・1時間30分。ほかのユニットより先に受ける
- D2 ワインビジネス:記述式・1時間
- D3 世界のワイン:2日続けて受ける。1日目は記述式の理論(2時間と80分の2つ)、2日目は12種類のブラインドテイスティング(1時間30分を2つ)
- D4 スパークリングワイン:記述式と3種類のテイスティングを1時間30分
- D5 酒精強化ワイン:記述式と3種類のテイスティングを1時間30分
- D6 研究課題:3,000語のレポート1本


各ユニットの成績は、75%以上がdistinction、65〜74%がmerit、55〜64%がPass、54%以下は不合格です。D3は理論とテイスティングのそれぞれで55%以上、D4・D5は記述式と試飲のそれぞれで45%以上かつ合計で55%以上が必要です。
Diploma全体の成績は、上の図の比重で重みづけした合計点で決まります(55〜64%がPass、65〜74%がMerit、75%以上がDistinction)。いずれも、6ユニットすべての合格が前提です(仕様書 2025年 Issue 1.4)。
受け直しのルール(全レベル共通)
- 不合格なら受け直せる。回数の制限はない
- 合格したあとに、成績を上げるために受け直すことはできない
- WSETは、成績の区分の基準を変えることがあるとしている(Level 1〜3の仕様書。Diplomaの仕様書も、内容を変えることがあるとしている)



Level 1は7割、Level 2は5割5分で合格。思ったより低いですね!



数字だけで易しいとは言えない。Level 3は記述と試飲も、それぞれ55%が要る。



もっと上の成績が欲しくなったら、合格したあとで受け直せばいいですか?



合格後に成績を上げるための受け直しはできない。最初の試験に力を出し切ろう。
試験日・申込み方
WSET本部は、全世界共通の試験日を出していません。講座と試験は提供校ごとに行われ、日程も提供校が決めます。申込みは、受けたい提供校に直接行います。
- WSETのWhere to study(講座提供者の検索)で、地域(Asiaなど)・科目(Wine)・レベル・受講方法(Online/Classroom)を選んで絞り込む
- 日本語で受けたいなら、WSETの日本語ページの提供校一覧も見る
- 気になる提供校に、日程・受講料・言語・試験の場所を問い合わせる
Diplomaは試験の月が決まっている
Diplomaは、ユニットによって試験の時期が年の決まった月にそろえられています(仕様書 2025年 Issue 1.4)。
| D1 | 提供校が決める (受け直しは 10月と3月) |
|---|---|
| D2 | 10月・1月 ・3月・6月 |
| D3 | 10月・5月 (2日続けて) |
| D4・D5 | 10月・1月・6月 |
| D6 | 8月1日に課題発表 提出は1月31日 か7月31日 |
Diplomaの学生登録は3年間有効で、合格したユニットもその3年間有効です。3年を過ぎたら登録し直すことができ、それまでの合格が今も有効かは、その時点の仕様書に照らして見直されます。WSETは、Diplomaは通常18か月〜3年で修了するとしています。
受講料(費用)はいくら?
WSET本部のページには、統一の受講料は載っていません。受講料は提供校ごとに決まり、WSETも講座の進め方は提供校によって違うとしています。費用を比べるときは、試験の費用やテキスト代が受講料に含まれるかも確かめましょう。
Diplomaの仕様書には、試験に登録したあとは試験料が返金されないこと、登録後の延期はできないこと(やむを得ない事情は提供校に相談)が書かれています。
合格率と難易度
WSET本部の講座ページ・仕様書には、合格率の掲載がありません。この記事では、WSETの発表として確かめられない合格率は書きません。
難しさの目安になるのは、WSETが示す最低の学習時間です。講座の時間に、自習と試験の時間を加えたものです。
- Level 1:6時間(教室かオンラインの講座)
- Level 2:28時間(講座16時間・自習11時間・試験1時間)
- Level 3:84時間(うち講座30時間)
- Diploma:500時間(講座116時間・自習370時間〔研究課題を含む〕・試験は合計11時間50分)


難易度はどのくらい?
Level 1・2は選択式だけですが、Level 3から記述式とブラインドテイスティングが加わり、どれか1つでも55%に届かないと資格になりません。学習時間もLevel 2の3倍になります。Diplomaは記述式とテイスティングが中心で、3,000語の研究課題もあり、学習時間はLevel 3の約6倍です。WSETはDiplomaを、マスター・オブ・ワインを目指す人にとっての大切な一歩と位置づけています。
勉強方法と過去問
試験の問題は、各レベルの仕様書に書かれた学習成果(Learning Outcomes)から出ます。Level 2の仕様書は、推奨教材(『Wines: Looking behind the label』)に答えに必要な情報があるとしています。まずは受けるレベルの仕様書で、範囲と配点を確かめましょう。
テイスティングは、WSET独自の「Systematic Approach to Tasting Wine®(SAT)」という決まった手順で表現します。Level 2・3の講座ページでは、レベルごとのSATを仕様書と一緒に見られます。


独学で取れる?
試験は提供校で行われ、どのレベルにも提供校での講座の時間(Level 1は6時間、Level 2は16時間など)が最低条件として決められています。そのため、講座を受けずに試験だけを受ける形は、公式ページでは案内されていません。
過去問はどこで手に入る?
Level 1〜3の仕様書には、WSETは過去問を公開しないと書かれています。そのかわり、各仕様書には見本問題が載っています(Diplomaの仕様書には見本問題の章はありません)。仕様書は、各レベルの講座ページ(下の「公式情報」)から無料で見られます。
合格したら:認定証とDipWSET
結果は、WSETが提供校に全受験者の成績一覧を送り、提供校から受験者に知らされます。そのあと、WSETから提供校を通して結果の通知と認定証が届きます(仕様書)。結果が出るまでの日数は、公式ページでは確認できませんでした。
Diplomaを修了した人は、名前のあとに「DipWSET」と書けるようになり、WSETの卒業生の会(Alumni Body)にも入れます。また、Institute of Masters of Wineは、Diplomaをマスター・オブ・ワインの学習課程に入るための条件の一部として認めています。
日本ソムリエ協会のソムリエ・ワインエキスパートとの違い
どちらもワインの資格ですが、作っている団体も、試験の仕組みも別です。
- WSET:英国の団体の資格。世界の提供校で講座を受け、その提供校で試験を受ける。4段階のレベル制で、日程・受講料は提供校ごと。合格ライン(%)を仕様書で公開している
- ソムリエ・ワインエキスパート:日本ソムリエ協会の呼称資格。試験は年1回・全国共通の日程。ワインエキスパートは20歳以上なら職業を問わず、ソムリエは酒類・飲料の仕事で通算3年以上(会員歴2年以上の会員は2年以上)の経験が必要。協会は合格基準を公表せず、合格率は発表している
両者を同じ物差しで比べる公式の基準はないため、この記事ではどちらが上とは書きません。受けられる時期(年1回か、提供校ごとか)、学ぶ言語、仕事で求められているかなど、自分の目的に合わせて選ぶとよいでしょう。日本ソムリエ協会の試験の詳しい内容は、こちらの記事にまとめています。


よくある質問
Q. Level 1を飛ばしてLevel 2から受けられますか?
A. 受けられます。Level 1・2は前提条件がなく、Level 3もLevel 2相当が「推奨」で必須ではありません。
Q. Level 3からDiplomaに進むのに条件はありますか?
A. Level 3 Award in Wines(またはLevel 3 Award in Wines and Spirits)を持っていることが必須です。
Q. 日本語で受けられますか?
A. 講座ページの言語欄では、Level 1〜3に日本語があります(2026年10月3日時点)。実際に日本語で開講しているかは提供校に確認してください。
Q. オンラインでも受けられますか?
A. WSETの提供校検索では、受講方法を「Online」と「Classroom」から選べます。どの講座がオンラインかは提供校ごとです。
Q. 不合格になったら何回でも受け直せますか?
A. 回数の制限はありません。ただし合格したあとに、成績を上げるために受け直すことはできません。
Q. 合格率はどのくらいですか?
A. WSET本部の公式ページでは、合格率の公表を確認できませんでした。
Q. Diplomaはどのくらいの期間で取れますか?
A. WSETは、通常18か月〜3年で修了するとしています。学生登録とユニットの合格は3年間有効です。
Q. WSETの資格は日本の国家資格ですか?
A. 違います。WSETは、自らの資格が英国以外の公的な資格の枠組みには入らないとしています。
公式情報
- WSET Level 1 Award in Wines(WSET・英語)
- WSET Level 2 Award in Wines(WSET・英語)
- WSET Level 3 Award in Wines(WSET・英語)
- WSET Level 4 Diploma in Wines(WSET・英語)
- Where to study(講座提供者の検索・WSET)
- 日本語で提供されている資格・提供校(WSET)
- WSET, an awarding organisation(WSET・英語)
- 二十歳未満ノ者ノ飲酒ノ禁止ニ関スル法律(e-Gov法令検索)
この記事は、WSETや講座提供者とは関係なく、WSETが公開している英語の情報をもとに独自にまとめたものです。内容の日本語は当サイトの訳です。日程・受講料・受講言語は、必ず各提供校で確認してください。
まとめ
- WSETのワイン資格は、Level 1〜3(Award in Wines)とLevel 4 Diplomaの4段階
- Level 1〜3は前提資格なし。DiplomaはLevel 3の資格が必須
- 合格ラインはLevel 1が70%、Level 2が55%。Level 3・Diplomaは試験ごとに55%などの条件がある
- 最低の学習時間は6時間・28時間・84時間・500時間。合格率の公表は確認できない
- 受講料・日程・言語は提供校ごと。WSETの検索ページで探して直接問い合わせる



費用も日程も学校ごとなんですね。まずは近くの提供校を探してみます。



公式の検索で、地域・レベル・教室かオンラインかを選べる。条件も比べろよ。



日本ソムリエ協会の資格とも迷ってるんです。どっちを受けるか決めたいです。



ソムリエ試験の記事と資格の一覧があるから、続けて読んで目的で選んでくれ。
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